「擦れた受験体験記」#特集 #受験 #エッセイ

2017年2月24日

 
 
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▶︎特集「受験」

今週は、青春基地、「受験」特集はじめてみました。
中高時代では、なにより気がかりなこのテーマ。不安の渦を巻き起こす「受験」という不思議な試練を、いろんな角度から見てみたいと思います。今日からは、青春基地の大学生スタッフによるエッセイを連続して届けます。
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| 過程が結果となり、結果を過程にする

 
 
小さい時から、僕はずっと結果を求められていた。 
全国大会に出ること、そこで勝つこと。選抜に選ばれること。100点を取ること、合格すること。
 
全てに妥協は許されなかった。
何度も心がくじけそうになった。 
朝、5時30頃起きて、空手の練習し、学校に行き、部活を行い、その後にまた空手。21時まで練習した後に勉強。疲労で40度を超える熱を出し入院したこともある。
 
怪我もあった。それらが理由で勉強まで、おいてかれることもあった。
 
それでも、見られるのは結果だった。
結果が出れば「センスがあるから」「地頭がいいから」。それだけ。過程は見てもらえない。結果が悪ければ、「努力が足りない」と過程を問われる。理由が言い訳になるのだ。
 
しかし、分かりやすくてよかったと思ってる。 
結果を出せば評価されるわけだ。自分の努力次第でどうにかなるものだった。
 
 
 
・・・このように考えるようになったのは、知人の死を経験してから。前日まで普通に喋っていた人が次の日学校に行くと、亡くなっていた。
 
 
 
血の滲むような努力の過程の上に、
輝かしい結果が芽吹く。 
しかし、芽吹かず枯れる結果もある。自ら枯れてしまうこともある。あと少し努力すれば芽吹くかもしれない。しかし、どれだけ努力すれば芽吹くのかは誰にもわからない。
 
辛いと思う。
けれど、そこで自分から逃げるほうが辛いのを僕は知っている。だからこそ、自分を信じて結果が出るまで続けて欲しい。失敗したら、それを改善してもう一度チャレンジして欲しい。
 
 
 
みんなが通る大学受験は、それが一番顕著だと思う。 
成績が伸びない、周りが出来ている。やばい、俺だけできない。
 
・・・そこで何を考えるのだろうか。
 
「どーせ、無理だ、やめちまえ」
そんな風に思うこともあるだろう。ゲームなど勉強以外に走ってしまうこともあるだろう。 
けれど、最後は戻ってきてほしい。 
勉強の悔しさは、勉強でかえしてほしい。 
その時にできなくても、次にできるようになればいいじゃん。結果を自分の過程として、結果を塗り替えていってほしい。 
 
 
 
僕は大学を一度辞めている。 
やめる理由はあった。 
しかし、友人や学校の先生、顧問、親が期待していたこととは違ったみたいだ。 
ものすごく反対され、傷つけられた。 
「努力できなかったお前なんて、どこ行ってもダメだよ」 
「逃げたらしいよ。」 
「お前のせいで合格実績が」
 
 
 
知っていた。 
小さい頃から全部知っていた。 
 
それでも僕は辞めるという結果を出した。 
だからこそ、その後どんなに成績が悪くても、嫌なことがあっても、勉強をやめなかった。 
結果を出すことでしか変えられないからだ。 
もちろんずっと僕の言葉を聞いてくれて、相談に乗ってくれる友達もいた。 
何も聞かずに受け止めてくれる人もいた。 
涙を流していた人もいた。 
だからこそ、僕が僕を信じなくてはいけない。 
 
 
この結果を過程にして結果を生み出すのだ。
 
 
 
自信なんて、僕にはなかった。 
小さい大会でも、模試でも、学校の単語テストでも緊張しまくりだ。 
しかし、周りは「自信満々だね」という。 
やればやるほど、むしろ不安になるし、緊張する。
 
自分だけじゃないよ。 
みんな緊張して、あがいて生きている。 
だから、自分を信じてあげて。
 
 
僕の大学生活の半分が終わろうとしている。 
 
・大学を辞めたこと 
・慶應義塾大学に受かることができたこと 
・1年生、2年生で学んだこと 
 
今までのすべてを過程にして、3年目を過ごしていきたい。過去の自分に誇れるような自分になりたい。
 
だからこそ自分なりの結果を出すのだ。 
不確かな未来で、自分を信じて歩いていきたいと思う。
 
 
大学二年生 丹羽
 
 
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▶︎18歳のわたし

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感想をおくる
 
 
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▶︎特集「受験」エッセイ

 
第一話:わたしの人生、だれのもの?
第二話:孤独との戦い方について
第三話:人生の登竜門
第四話:ぼくの前から消えない境界線
第五話:擦れた受験体験記
第六話:大学受験のその先に
第七話:道しるべにする
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▶︎特集「受験」まとめ記事

第一弾:センター試験珍問題集 社会編 #特集
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丹羽輝明

慶応SFC2年です。