▶︎特集「受験」
今週は、青春基地、「受験」特集はじめてみました。
中高時代では、なにより気がかりなこのテーマ。不安の渦を巻き起こす「受験」という不思議な試練を、いろんな角度から見てみたいと思います。今日からは、青春基地の大学生スタッフによるエッセイを連続して届けます。
| 過程が結果となり、結果を過程にする
小さい時から、僕はずっと結果を求められていた。
全国大会に出ること、そこで勝つこと。選抜に選ばれること。100点を取ること、合格すること。
全てに妥協は許されなかった。
何度も心がくじけそうになった。
朝、5時30頃起きて、空手の練習し、学校に行き、部活を行い、その後にまた空手。21時まで練習した後に勉強。疲労で40度を超える熱を出し入院したこともある。
怪我もあった。それらが理由で勉強まで、おいてかれることもあった。
それでも、見られるのは結果だった。
結果が出れば「センスがあるから」「地頭がいいから」。それだけ。過程は見てもらえない。結果が悪ければ、「努力が足りない」と過程を問われる。理由が言い訳になるのだ。
しかし、分かりやすくてよかったと思ってる。
結果を出せば評価されるわけだ。自分の努力次第でどうにかなるものだった。
・・・このように考えるようになったのは、知人の死を経験してから。前日まで普通に喋っていた人が次の日学校に行くと、亡くなっていた。
血の滲むような努力の過程の上に、
輝かしい結果が芽吹く。
しかし、芽吹かず枯れる結果もある。自ら枯れてしまうこともある。あと少し努力すれば芽吹くかもしれない。しかし、どれだけ努力すれば芽吹くのかは誰にもわからない。
辛いと思う。
けれど、そこで自分から逃げるほうが辛いのを僕は知っている。だからこそ、自分を信じて結果が出るまで続けて欲しい。失敗したら、それを改善してもう一度チャレンジして欲しい。
みんなが通る大学受験は、それが一番顕著だと思う。
成績が伸びない、周りが出来ている。やばい、俺だけできない。
・・・そこで何を考えるのだろうか。
「どーせ、無理だ、やめちまえ」
そんな風に思うこともあるだろう。ゲームなど勉強以外に走ってしまうこともあるだろう。
けれど、最後は戻ってきてほしい。
勉強の悔しさは、勉強でかえしてほしい。
その時にできなくても、次にできるようになればいいじゃん。結果を自分の過程として、結果を塗り替えていってほしい。
僕は大学を一度辞めている。
やめる理由はあった。
しかし、友人や学校の先生、顧問、親が期待していたこととは違ったみたいだ。
ものすごく反対され、傷つけられた。
「努力できなかったお前なんて、どこ行ってもダメだよ」
「逃げたらしいよ。」
「お前のせいで合格実績が」
知っていた。
小さい頃から全部知っていた。
それでも僕は辞めるという結果を出した。
だからこそ、その後どんなに成績が悪くても、嫌なことがあっても、勉強をやめなかった。
結果を出すことでしか変えられないからだ。
もちろんずっと僕の言葉を聞いてくれて、相談に乗ってくれる友達もいた。
何も聞かずに受け止めてくれる人もいた。
涙を流していた人もいた。
だからこそ、僕が僕を信じなくてはいけない。
この結果を過程にして結果を生み出すのだ。
自信なんて、僕にはなかった。
小さい大会でも、模試でも、学校の単語テストでも緊張しまくりだ。
しかし、周りは「自信満々だね」という。
やればやるほど、むしろ不安になるし、緊張する。
自分だけじゃないよ。
みんな緊張して、あがいて生きている。
だから、自分を信じてあげて。
僕の大学生活の半分が終わろうとしている。
・大学を辞めたこと
・慶應義塾大学に受かることができたこと
・1年生、2年生で学んだこと
今までのすべてを過程にして、3年目を過ごしていきたい。過去の自分に誇れるような自分になりたい。
だからこそ自分なりの結果を出すのだ。
不確かな未来で、自分を信じて歩いていきたいと思う。
大学二年生 丹羽
▶︎18歳のわたし
▶︎特集「受験」エッセイ
第一話:わたしの人生、だれのもの?
第二話:孤独との戦い方について
第三話:人生の登竜門
第四話:ぼくの前から消えない境界線
第五話:擦れた受験体験記
第六話:大学受験のその先に
第七話:道しるべにする