一人のアーティストとして、世界を舞台に挑み続ける美容師の想い。

2019年4月9日

ーこの記事は、NPO法人青春基地が1年間授業コーディネートを行った都立第一商業高校1年生の生徒らがビジネスの授業において、自分たちの興味のある仕事や憧れの人を訪れ、取材し、それを学びの成果としてまとめたものです。【都立第一商業高校との協働に関するプレスリリースはこちら】 ふだんなかなか出会うことのできない大人たちの価値観や考え方に触れ、彼らはどんなことを感じたのでしょう。

 
きらびやかなヘアスタイリストというお仕事に、一度は憧れを抱いたことがある人も多いのではないでしょうか。
 
今回、私たちは代官山にある美容院Dayt.の代表をされている悠馬さんにインタビューをしました。
ヘアスタイリストという仕事に興味があり、代官山で美容院を経営される悠馬さんのインタビュー記事を見つけ、この方にお会いしたい!と思ったことがきっかけでした。
 
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Dayt.の店舗は落ち着いた外観で、髪のカット、カラー、パーマ、ヘッドスパ、シャンプー、まつげエクステ、フルメイク、セットアップ等を行っています。興味ある人はぜひ行ってみてください!
 
私たちが最初に聞きたかったこと。それは、Dayt.というお店の由来でした。この店名は、「Date(日付)」という英語が由来になっているそうで、「一生に一回、生年月日や成人式などに使われる日付」という意味があります。一生に1回の大切なことに携われる関係性になりたい、そんな想いを込めて、悠馬さんはこの単語を選ばれたそうです。また、ヘアスタイルは毎日のライフスタイルに関わってくることであることから、One dayの「day」の文字をとり、Dateとdayをかけて、「Dayt.」という店名が誕生しました。
さらには、最後についてある「.(ドット)」にも熱い想いが込められているのだと、悠馬さんは教えてくださいました。これは、スタッフに対して、いつ死んでもいいくらいに本気で、楽しんで生きて行こうというメッセージなのだそうです。
 
次に、仕事の枠を超えて、さまざまな活動に挑み続けるご自身のお話を伺いました。悠馬さんは、これまでに40カ国以上もの国を訪れており、多様なバックグラウンドをお持ちです。
そんな悠馬さんに、これまでの旅の中で「海外と日本で最も違うと感じたこと」を聞いてみました。すると、日本人は電車のホームなどで常に負のオーラが漂っているけれど、海外の人々は活発で明るいオーラに包まれていることだ、と答えてくださいました。日本を出たことがない私にとって、そのことはとても驚きでした。悠馬さんは海外での旅の途中で、路上で通りすがりの人々の髪を切る「ストリートカット」を始めました。「治安が悪いところでヘアーカットをしたら、どうなるのだろう。面白そう!」と思ったことが、きっかけだったそうです。その反響は大好評だったようで、現地のTV取材を受けたり、現地の大学に忍び込み、生徒や先生の髪を言われるがままに切るなど、大好評だったようで現地で多くの人たちとの交流があったようです。私は悠馬さんの明るく気取らない性格が現れている、とてもすてきなエピソードだと思いました。
 
次に、美容室のスタッフ育成で大切にしていることはなにか、という質問をしました。この問いに対し、悠馬さんはひとつひとつの想いを大切にしているとおっしゃっていました。お客様が何を求めているのか、なぜそうするのかという理由をしっかりとスタッフに伝えることで、お客様の気持ちや想いがわかるスタッフの育成に努められているそうです。
 
最後に、美容師としての今後の目標を伺いました。1つ目は、Dayt.において、自分がかっこいいと思っているようなスタッフを育てること。2つ目に、大きな目標として、日本のデザイナーを集めたチームを作り、海外に日本のアーティストを広めることだとおっしゃっていました。美容師という仕事の枠にとらわれず、やりたいことをたくさん見つけている姿勢に対して、本当にすごいと思いました。
 
今回の取材を通して、悠馬さんは興味をもったこと、面白そうだと思ったことに対して、とても積極的な人であること。そして、美容師としてだけではなく、アーティストとしてさらなる活躍を目指している、大きな目標をもっているということがわかりました。その野心的な挑戦心と冒険心に、取材をさせていただいた私たち自身も、たくさんのパワーと刺激を受けた時間となりました。
 
取材を受けてくださった悠馬さん、ありがとうございました。
 
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