青春基地の2月のテーマは「受験」。中高時代なにより気がかりなテーマですよね。
今回は、manma代表の新居日南恵さんの中高時代をお聞きしました。
新居 日南恵(におり ひなえ)さん
22歳。2014年に”任意団体「manma」を設立。家族を取り巻くよりよい環境づくりに取り組む。2015年1月より学生が子育て家庭の日常生活に1日同行し、生き方のロールモデル出会う体験プログラム「家族留学」を開始。日本国政府主催WAW!アドバイザー / 内閣府 委員なども務める。
「振り返ってみると、manma立ち上げの原点は大学受験かもしれません。」と新居さんは言います。大学受験はしんどい戦い。でもだからこそ今の活動が始まった奮闘記を、どうぞ!
高校時代をふりかえり、5人の青春基地中高生編集部へ、いつも以上に等身大に語っていただきました。
写真:取材したのは、当時中3〜高3だった編集部たち
| 学校帰りは、毎日テレビを見たり、友達と遊びに行ったり、ぼーっと過ごしていました(笑)
写真:”なえっくま”というあだ名、突っ込んでいいですか。笑
新居:ふつーーに中学生、高校生してました。やばいですよね(笑)
あかね:ええええ!
らん:全然今と違う!4年前とかですよね!?
あーや:すごい・・・。
ますみ:チャラい系だったんですか!?
新居:チャラい系ではなかったけれど、中学生の時は、塾の日以外、ずっと遊んでダラダラ過ごしていました。(笑)ジャニーズの出待ちとかしたこともあったな・・・。
ますみ:想像できない!!誰が好きだったんですか。笑
新居:Hey!Say!Jumpの薮宏太です(笑)学校終わったら、渋谷とかで出待ちして、プリクラとって楽しんでました。
そんな毎日を過ごしていて、超厳しい塾に通っていたから、当然ついていけなくなって。新しく見つけた塾の説明会で、慶応大学の「AO入試」というのを知りました。
※AO入試とは、単に試験による学力を評価するのではなく、大学での学びについての「志望理由書」と呼ばれる小論文や面接を通じて、意欲や熱意、それに伴ったリサーチや、実行力などから評価する入試方式。学校によって方法が少しずつ異なりますが、AO入試を採用する大学は、年々増加しています。
新居:慶応のAO入試の出願書類には、エントリーするための基準項目がいくつかあるのだけど、当時、一個も当てはまらなかったんだよね(笑)高校時代に勉強で成果を残したとかボランティアしたとか色々…。それで悔しくて、塾の先生に教えてもらったNPOカタリバのイベントに参加したのが全ての始まりでした。
写真:カタリバラボ
新居:学校の外に一歩出てみると、留学してたり、総理大臣になりたいとか、自分を遥かに超えた人だらけだった。どこかで自分はやれば出来る子と思っていたから、現実を突きつけられ、愕然としました。
でも、一方でまだ高校卒業まで2年間もあると思った。その日からは、当時出会った、高校3年生の眩しすぎる先輩を超えたい一心で、いろんなことを始めました。
写真:Googleにて。当時一番憧れだった先輩を追いかけ、次年度の企画リーダーを務める。中央が新居さん
写真:100人の高校生たちと国会議事堂前にて。NPO法人「僕らの一歩が日本を変える」を、6人の高校生で立ち上げた。
| AO入試とともに見えてきた「自己肯定感」というテーマ
らん:高1のときから、「受験はAO入試一本」と決めていたんですか?
新居:一般との両立はキツイいし、中高が大学の付属だったから、落ちたらそのまま持ち上がりしようと高2のときに決めた!
らん:なるほど・・・。
新居:でも私は100%受かると思ってたよ!
AO入試一本と決めたら、できること全部リサーチして、先輩や先生たちに会いまくりました。大学の理念もわざわざ印刷して線引いて、ほぼ暗記したり。とにかく、徹底した。志望理由書も40本くらい書いた。今も資料やノートが数10冊残ってるはず。思い入れがありすぎて、捨てられないの(笑)
一同:わあ・・・。
新居:でも「AO入試」と聞くと、すごく大きな夢や壮大な社会課題をテーマがある人のものってイメージがないかな?
でも私は「やりたい想いがあることが美徳」という空気が超苦手で、抵抗感があった。
ますみ:意識高い系というか!
新居:そう!でも、ある先輩に「あなたが、常日頃、誰よりも考えているテーマについて考えてみろ」と言われたんだよね。あ、それでいいんだって気持ちが軽くなって。
新居:私、双子なんです。
あーや:双子!
新居:双子って、顔も、成績も、周りからの目線も大差なくて、自分とほぼ同じ個体が常に隣にいる状態。自分だけの”何か”を見つけられなくて苦しかった。
だから誰よりもずっと「自分とは?」と考えてました。調べているうちに、「自己肯定感」という言葉に出会いました。特技がある、こういうキャラである、ということじゃなくて、自分が存在していることを、そのまま肯定すること。これだなって。
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この頃は、現在のmanmaや、子育てなどのテーマはまだ見えていなかったそうです。
| いじいじしてる自分のかっこ悪さや苦しさに耐えられなくて、manmaを立ち上げました。
あーや:この「自己肯定感」がどうやってmanmaに繋がったんですか?
新居:このデータは見たことあるかな?
image:NPO法人青春基地作成
新居:どうして、こんなにも自分に価値を感じられない人がいるんだろう?と。
ずっと考えているなかで、本を読んだり、人と話して、その根源は「家族」だなって思ったんです。教育や、政治も大事だけど、なにより、家族という愛着を形成する場所が、人が育つ上で、わたしはとても大切だと思った。
あかね:すごく大事ですね。
新居:「家族が大事だ!」って偉そうに語るけど、形にできる場所がなくて、でも思いはどんどん膨らむ。
思いを形にしている友達たちの横で、口だけ偉そうなことを言っているかっこ悪さや、苦しさに耐えられなくてmanmaを立ち上げました。
らん:でも、すごい!
新居:まだ大学一年生だったし、ちゃんとした考えもなかったよ。リスクもデメリットもないから、まずはやってみようと。
新居:もう一つは、カタリバや、高校時代につくったぼくいちを通じて、「小ちゃい違和感からでも、この世の中で社会をつくれるんだ」と思えるようになっていたことも大きかった。それで懲りずに、きっとできると思ってmanmaをつくりました。
| 「もうすぐ大学生になる、高3のみなさんへ」
ますみ:manmaをつくるまでの大学生活は何していたんですか?
新居:本当に色々やってたよ。giftee、アショカジャパンのインターン、ピラティススタジオの受付、書籍の編集、AO入試の指導、あとはカタリバのスタッフ。
あーや:めっちゃ多いですね(笑)
新居:そうそう。でもね、例えば、企業のコンセプトに共感して働き始めても、実際にインターンでできる業務は一部。理念とやることが、どうしてもかけ離れてしまうんだよね。
新居:それから、色んなことをやると、必ずどれかがおろそかになるよね。
例えば3つ並行したら、時間は「3:3:4」になる。30パーセントの自分で向き合うことになるのがもどかしかった。
それは、すごくもったないないし、わたしは120%で仕事して、120%で評価されてみたいと思って、やめました。
ますみ:来年から大学生なんだけど、すごく迷ってて…。
新居:まずは、自分がやりたいことを全部やってみたらいいんじゃないかなあ。やってみてから「違うな」って思ってやめるのはアリな気がするよ!
あーや:今、中3なんですけど、部活をやりたくなくて。でもウェイウェイとか、青春できないのは嫌ですごく迷ってるんです。
新居:「青春したい」って理由だけでやりたくないことするのも違うし、「みんながやってるから、やろう」ももったいないと思う。
自分の好きな方で、より楽しく生きるって感じでいいんじゃないかな!
ありがとうございました。次編では、manmaに込めた想いをもっともっと聞いてみました!※明日公開予定!