皆さんこんにちは!ちーです。
今回取材させていただいたのは、特定非営利活動法人いばしょづくりの代表理事を務める阿部伸一さんです。
—阿部伸一さん
いばしょづくりの代表理事を務めるほかにも、不登校生向けの個別指導塾の運営や不登校生や親御さんのカウンセリングを行うなど、多くの不登校生に関わっている。
私が初めて阿部さんの存在を知ったのは2月にいばしょづくりの公認サークル「いばしょクラブ」主催で行われた不登校生&不登校経験者オフ会に参加した後です。そこから阿部さんが書かれた本やブログを読み、お話を聞いてみたいなと思うようになりました。
ん…?不登校生&不登校経験者オフ会に参加したってことは…?
そうです! 実は私、小6からN高に転校する前まで不登校でした!笑
不登校だった時、とにかく不登校でいることが怖くて、両親にも行けないことが申し訳なくて…。申し訳なさからか部屋に引きこもる生活が続いたから孤独で居場所もない。そんな苦しい時間を過ごしてきました。
でもその苦しさから抜け出せたのは居場所を見つけたこと、外の世界に出るちょっとの勇気があったからだと思います。
そんな気持ちを阿部さんとのインタビューの中で感じられたらなと思います。
不登校は千差万別。だから不登校という言葉が怖い。
ちー:私が不登校だった時の周りの反応は「学校に行かない引きこもりの子」という捉え方をされていたように思います。阿部さんは不登校に関してどんな捉え方をしていますか?
阿部さん:学校に行くのが苦手。ただそれだけ。足が遅いとか歌が下手とかと同じで、学校に通うことが苦手。そういう捉え方をしているかな。 不登校生をなくそうとは全く思ってなくて。だって単純にいじめられてる子なんかは行かない方がいいし。ただ不登校っていう言葉自体はいらないなってすごく思ってて。言葉の線引きがすごく怖い。
ちー:そうですね。なんか不登校の「不」ってイメージがだいぶ強くてマイナスイメージが付きやすいなって思って。
阿部さん:そう。どんな理由のどんな状態の子も、全部「引きこもり」って言われたり。本当に引きこもりで悩んでいる子もいれば、全然違う人もいるのになんか全て一緒くたにするから、言葉としては怖いなっと思ってる。不登校って言葉が。
学校に行ってる子と何も変わらない。
ちー:不登校生と関わってる中でなにか感じること、全体に共通している部分だったりとかってありますか?
阿部さん:ひとことで言っちゃうと、学校に行ってる子と変わらない。それは強く伝えたい。僕の経験だけで言っても本当に全員に共通する点なんかないよね。学校へ行ってる子とそんなに分ける必要を感じない。
ちー:本当にさまざまですよね。
阿部さん:不登校の人は変わってるねっていう人いるけど、学校へ行ってたって変わってる人は変わってるし、本当にそれぞれだよね。線引けない。
居場所はいっぱいある。
ちー:今、学校に行きづらい、居場所がないって感じる子に提示できる選択肢っていろいろあると思うんですけど、どのようなものがありますか?
阿部さん:いっぱいあるってことを提示したいなって思ってる。この事実を知らせないといけないってすごく思ってます。学校へ行くことがすべてじゃないよってこと。具体的に「ここ」って示すのもいいんだけど、その前に居場所はあるよ、と。居場所も進路もいくらでもあるよってのをまずは伝えたいよね。
ちー:では、そういった子たちに私たちが何かできることはありますか?
阿部さん:あると思うよ。まずは年の近い皆さんの世代が味方になること。味方がいるってことを伝えたいなって思ってて。「今は何の相談もしなくていいけれども、いつでも話は聞くよ」的なね。そんな立ち位置の私がいるってことを伝えられたらいいなって思うけどね。味方はいるってことを伝えてほしいし、味方になってほしいかな。
ちー:そうですよね。具体的には味方になるにはどう接すればいいと思いますか?
阿部さん:理解してあげることだよね。否定しないこと。否定されない世界があるって伝えることが大事だと思う。ほかの人と違うってことをわかってもらえるとか…。ただでさえ自分のこと否定しがちじゃない。そんな状態だと多少慰めの言葉をかけられたところでどうしようもなかったりするんだけど、自分が否定されないって世界があるとか、自分を否定しないでくれる人がいるってことはすごく力になると思ってるんで、否定しないってスタンスが良いなって思ってる。
不登校でも大丈夫!
私が不登校についてもっと詳しくなろう。
不登校に関するプロジェクトに参加しようと思ったとき、「不登校だったからって人生の選択肢が狭まるわけじゃない、それを伝えるために活動したい」と私の心の中で考えていました。
不登校になったからみんなと違う、高校にも大学にも通えない、友達もできない、人生もう終わったも同然…
そんなことを考えていた不登校の子や親御さんもいるかもしれません。私も以前は、上に書いたようなことをずっと考えていました。
でも不登校は、阿部さんもおっしゃっていた通り学校に通っている子と何も変わらないんです。
私も不登校の子と関わることが増えるにつれ、そのことを感じることが増えました。
だから、不登校にだって普通に学校に行っている子と同じように居場所を作ったり、友達を作ったり、進学したり、夢を叶える権利があるんじゃないかと思うのです。
不登校だからって人生の選択肢が狭まるわけではないし、学校に行っている子と同じように夢を見て叶えることだってできると、改めて思えた取材でした。