”学校は勉強するだけの場所じゃない”
”喧嘩していたって、意地悪されていたって、自然に触れ合えば
みんな仲良しになれる”
私が小中学校で実際に学んだことです。
こんにちは、高校生編集部のゆきのです。
私が小学4年生の時、自分の通っていた学校は、
「コニュティスクール学園(小学校2校/中学1校で1学園・小中一貫教育連帯校)」
として正式に開園しました。
私の所属していた学園は、近隣にある大学教育関連機関と連携し、
生の英語に触れ合う時間や、放課後の学習指導の活動、地元の自然を生かした活動、そして小学校と中学校との交流活動などが盛んにありました。
机上の勉強についていけなかった私にとって、このような特殊な活動は私に”学校にいける勇気”をくれました。
高校に入って初めて机上の勉強ばかりの毎日になり、初めて気がつきました。
立って学ぶこと、座って学ぶこと両方必要なんだ。
人には合う、合わないが、必ずある。
そんなことを再確認した「NPO法人東京シューレ」さんへの取材でした。
今回の取材ターゲット!!NPO法人東京シューレ
奥地圭子さん:息子の不登校をきっかけに「登校拒否を考える会」を発足。1985年に22年間勤め上げた公立学校の教員を退職し東京シューレを設立する。フリースクール東京シューレの他に東京シューレ葛飾中学・ホームシューレ・高校コース・シューレ大学などを運営している。またNPO法人全国不登校新聞社やNPO法人フリースクール全国ネットワークにも携わる。
フリースクール「東京シューレ」とは?
1985年6月、北区東十条の狭い雑居ビルの一室で、学校外の子どもの居場所、学び・交流の場フリースクール東京シューレとして設立されました。1999年度には、特定非営利活動法人(NPO) 東京シューレとして法人化しました。
東京シューレ三原則
・安心できる居場所、やりたいことが応援される場所
・自分が決める、自分たちで決める
・みんな違う、それを尊重する
不登校は、いのちと制度のミスマッチ
ゆきの:そもそも不登校とはなんだと思いますか?
奥地さん:不登校?不登校は、いのちと制度の関係だと思ってるんですよ。
ちはる:かっこいい言葉ですね!不登校の「不」のイメージが少ない!
奥地さん:そうですよね。子どもは<いのち>でしょ?学校は<制度>ですよね。
学校は、家庭では出来ないような様々な知識や技術を得たり、
経験が出来たりしますよね。ただ不登校が起こるってことは、やっぱり合ってないってことなの。
いのちと制度が合っていないんだよね。
ゆきの:その合わない人たちをどう見るかって重要ですよね。
奥地さん:うん、ミスマッチがある。じゃあ、制度に合わなかったいのちは駄目だと見るか、制度の方をいのちに合わせて見るかが、問題だと思っているんです。
学校以外の多様な学びのあり方。
写真:フリースクール東京シューレ王子youtube
「30周年全体練習@ 葛飾中学校」より
(https://www.youtube.com/watch?v=hkDKWXVsam0)
奥地さん:私たちは、多様な教育のあり方を実践しています。たとえば学校法人東京シューレ学園 東京シューレ葛飾中学校。見た目はごくごく普通の中学です。
一概に不登校の子どもたちと言っても、いろんな子がいます。学校じゃないから安心してこれるって人たちは、フリースクールを選ぶんです。
ところがね、自分が行ける学校を選びたいっていう人もいて、そうすると葛飾中に来るんですよ。
その子、その子によって求めるものが違うので、そこに応じられる仕組みがね、できるのがいいなと。
ゆきの:フリースクールなどへの偏見をなくすことが、理想の一つってことですか?
奥地さん:そうそう。学びには、いわゆる学校教育だけではなく多様な場があると思うんですが、まだまだ社会的に認められていない現状があります。
子どもも、親も、多様な学びを選べること、それがしっかりと税金で支援を受けることができる社会になったらいいなと思っています。規模は小さいけど、シューレの中ではそれを実現しようとしています。
小学→現在はフリースクールのみ中学→都内近郊のフリースクールのシューレ/学校の形の東京シューレ葛飾中学校高校→都内近郊のフリースクールの高等部/ 高校連携している札幌自由が丘学園三和高校*Home Educationsという家で学ぶかたちもある。
写真: N P O 法人東京シューレH P より
(http://www.tokyoshure.jp/p04activity.html)
誤解しないで。それぞれの”学校と居場所”
ゆきの:フリースクールは、勉強するところではないイメージがあるのですが…。
奥地さん:そうですね。フリースクールに入れたら勉強しないって思っている人は結構多いですね。
けどね、東京シューレにも、京都大学や東京大学行った子もいるし、海外の大学院行った子もいるんですよ。
ゆきの・ちはる:そうなんですね!
奥地さん:なんかね世間がね、ちょっと勘違いしているんですよね。その子らしくいられる場所のほうが、自分の才能が伸びるわけですからね。勉強も、渋々やらされるより、勉強したいからするほうが伸びるじゃないですか。
たとえば、シューレに来ている時間もガリガリ勉強ばっかりやっていた女の子がいたんです。シューレでの過ごし方は自由なので。
彼女の両親は名門出身で、相当のプレッシャーがあった。ガリガリ勉強ばかりしてるのに、次の年も、その次の年も受験に失敗してしまうんです。3度目に失敗した時、精神的に不安定になってしまって、勉強がドクターストップになったんです。
入院中、彼女はいろんなこと考えるわけです。「なんでシューレの子は楽しそうなんだろう。」それで「あの子たちは、やりたいことやってるな。」って気がついた。「勉強ばっかりやっていたけど、自分もこうしないとダメなんだって思い込んできたけど、私がやりたいことだったんだろうか。」
病院から戻ってきたら「私、もう好きなことやる」って言い始めたんです。顔が違ってきたっていうか、生き生きしてね。その子が教えてくれたんです。「奥地さん、居場所ってね、自分が自分であっていいと思えたら居場所だね。これまでは、こんな自分じゃダメだって思ってたよ。」自分は不登校だから、その分有名校に合格しなくちゃと思い込んでたんだ、と。
未来への願い。
ちはる:東京シューレの子どもたちや、不登校の子どもたちにはどうなってほしいですか? 理想やゴールを教えてください。
奥地さん:うーん、ゴールはないですね。それぞれの人生でいいんですよ。それぞれ違う自己実現ができればいいと思うんですよね。本当に高いレベルを目指さないと満足できない人もいれば、しんどい思いしてまではいいって人もいる。
もちろん、自分でゴールを決めるのは自由です。オリンピックに選手になりたいなら、それはそれでやってみればいいと思っています。ほんとうに、それぞれだと思います。
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青春も人生も私も一度きり。一瞬の宝物は今ここにしかない。
私は、小学校も中学校も高校ももちろん青春基地も‼
全部大好きです。それはたくさんの貴重な経験をさせてくれた小中学校があって、たくさんの暖かさを持って一生懸命に私たちに接してくれる先生たちがいる高校があったからこそ、大好きと言えるのだと思います。
そうでなくても根っから学校が好きっていう人もいるかもしれません。ですが、学校嫌いの子からしてみれば苦痛の時間だと思います。学校が好き、勉強が好き、学校の仲間(先生や後輩、先輩や同級生…)が好きって、みんなが心の底から言えるそんな生徒で溢れれば、もっともっと子ども達が輝ける社会になっていくのかなって思います。