島に留学!?本土から2時間の「島前高校」ってどんなとこ?-隠岐島前高校

2016年9月1日

おもしろい学校や、部活に迫る「@school」、今回は島根県隠岐島にある隠岐島前高校の川本さんに島前高校やその魅力、さらにはもっと島前を良くするために考えていることを書いてもらいました!
隠岐島は松江市からフェリーで2時間、島での学校生活はどんなものなのか迫りました!
☞この記事は2016年1月に公開された記事を再掲したものです。
 

「島が大好き」だから選んだ島の高校への進学

 
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隠岐島前高校は今年で創立60年を迎えました。島前地域内の少子高齢化により一時は廃校の危機を迎えましたが、地域の人の存続してほしいという熱い思いと努力により島外の生徒が通える「島留学制度」や「少人数指導」などの取り組みが行われ生徒数は増加、クラス数も2つに増えました。
 
私は中学3年生の時、本土の学校に進学するか島前高校に進学するかで迷っていました。本土の学校に行けばより高度な教育が受けられます。ですが、島前高校は1人1人丁寧に指導してくれるし、学習センターでのアフターケアもしっかりしています。私は島が本当に大好きです。島に住み続けたいと思っていたので、迷った末に島前高校への進学を選びました。同じ教室には「島留学」をしている生徒が日本各地から集まっています。最初は戸惑いましたが、関わっていく中で島外生は自分の考えつかないようなアイディアなどを持っていることに気づきました。島外生と話すことを通して自分の故郷もいいところかもしれないと思えるようになったのは、私にとってとても大きな気づきです。
 

自分のやりたいことってなに?島前ならではの授業「夢探求」

 
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「夢探求」という授業についてご紹介します!「夢探求」とは1年次と2年次を通して自分のやりたいことを探求していく授業です。1年次では主にゲストの方々の話から学びます。島の内外からくる方々の話を聞くことで自分の事や友達の事、島前の事を知り、たくさん考え、様々な価値観と出会うことができるのがこの授業の魅力です。正直なところ、高校に入学する前から自分の夢があった私にとって、夢探求の授業はとても退屈なものでした。ですが何度も授業を受けていくことで、人の話を聞く力、相手に自分の考えを伝える力を身につけることができたと感じています。2年次では実際に地域の課題研究と解決に向けて、学んだ力を生かしチームとして島前の課題を見つけ解決策を考えていきます。そして11月には授業で学んだことや、その成果を現地の大学生へ向けて発表するためのシンガポールへの研修旅行があります。
 
何かにチャレンジしようとしたとき、もちろん厳しいことも言われますが、やってもいないのに「無理」と決めつける人は誰一人としていません。島前高校にはやりたいことを見つけ、実行できる環境が整っています。助けてくれる大人に恵まれているのも1つの特徴です。「夢探求」とは自分の世界を広げ、夢への扉を増やしてくれる授業です。
 

隠岐島前高校の魅力を伝えるために

 
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そんな島前高校にも問題点はあります。それは島で育った中学生で島前高校へ進学する人が少ないということです。もちろん島前の少子化による少子化の影響もありますが、ほとんどの中学3年生が本土の高校へ進学することも1つの要因です。そこで島内の中学生に島前高校に来てもらうために、島前高校では高校生と中学生との交流をしています。高校生活はどのようなものか、なぜ島前高校を選んだのかなど進路選択に役立ててもらうためです。実は島外から来た高校生、島内出身の高校生どちらの話も聞ける機会はとても貴重なので、島前高校の魅力を島内・島外の視点で伝える絶好の機会になっています。島前高校に通う1人の生徒として、このような機会をもっと作っていけたらと思います。
 
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(体育祭の後夜祭で松明を持ち、円をつくる様子)
 
島前高校をもっと元気にすることで、活気ある地域にしていきたいです!