前回はSAMさんがダンスに出会ってからダンサーになるまでの道のりや、SAMさんにとってのダンスとは、を紹介してきました!
後半では、SAMさんの生き方や、信念、そして今後の目標に迫ります。そして最後には私たち高校生に対する熱いメッセージもいただきました!>>前編はこちら
成功の鍵は ”根拠のない自信” と努力
ーーSAMさんはTRFとして芸能界でも活動していて、大変なことも多いと思うのですが、大変なことと、逆に楽しいことを教えてください!
本当に大変だと思うことはないかな。でもやっぱり新しいことを始めようとする時はすごく大変。嫌だなあとか辛いなあとかいう大変さではなくて、すごくやりがいがあって頑張るんだけど大変、みたいな。でも本当に嫌だなって思うことはないからいいよね。仕事をやめたいって思う人がいる中で、そうやって嫌な思いをせずにできているっていうのはありがたい。
編:自分への自信みたいなものはどうやって生まれてきますか?
俺の自信はね、根拠のない自信なの。(笑)
自分がどれほどの者かわかってないけど、俺は絶対できるみたいな。努力しなきゃっていうのはすごくあったから、もちろんいっぱい練習はしたよ。人が寝ている間も遊んでいる間も練習した。一生懸命やっていれば何かできるんじゃないかとか、やれるんじゃないかとか思ってたからさ。
これからは「ダンスで恩返しがしたい」
ダンスを使って世の中に恩返しをしていくこと。どれだけダンスで人に喜んでもらえるか。昔は踊る人だけのためのものだったけど、世に広まって、ダンサー以外にとってのダンスも普及したんじゃないかな。ダイエット、健康、教育のためとかいろいろな人にとっての昔と違うダンスがある。プロのダンサーを育てていくことと並行して、普通の人にもダンスで楽しんでもらいたいし、元気になって欲しい。
年を取ると世の中が見えてきて、ここまで来ることができたのは偶然じゃないことに気付くし、せっかくここまで来たならダンスで恩返しをしたい。10代の頃なんて学校も行かずにずっと踊ってたような不良少年だったのに、ダンスのおかげでしっかりした考え方を持てるようになったんだから、ダンスは俺にとってまさしく恩人だよ。ダンスをやっていろんな人と出会えたし、仕事にもできている。だから、今度はダンスで恩返しがしたい。
編:そう思い始めたのはいつ頃からですか?
35歳でレコード大賞をとって目標を達成した後かな。モチベーションを見失って怖くなって、そういう考え方に変わっていったんだよ。視野が広くなってもっと遠くの様々な人にも踊るチャンスを提供したいって。
編:それはSAMさんにとって大きな変化でしたか?
チャンスはピンチだし、ピンチはチャンス。一番いい時が一番怖い。ピンチでどうしようって時が神がくれたチャンスだったりするからさ。どうそこに立ち向かって、乗り越えていくか。勇気やパワーが必要だし、それを乗り越えた人が一回り大きくなっていく。困難が訪れたら、ラッキーだと思っていいよ。困難がない人生なんて強くならない。
編:今までの一番のピンチはいつですか?
今もピンチ。いつでもピンチ。満足したら終わりだから、ピンチじゃないときがない方がいいんだよ。事務的作業とか人間関係とか面倒臭いことは多いけど、頑張れば乗り越えられると思って努力してきた。今考えると良い経験でさ。
すべては自分次第、だからこそ努力あるのみ。
編:不安はどう乗り越えましたか?
人よりも努力すること。全て自分次第だよ。人の真似でなく、今の自分が何を思っているかが大切なんじゃないかな。自分に足りないものは補っていけばいい。遊ぶ時間、寝る時間を惜しんで練習して、がむしゃらに努力してきた。でも現実は厳しい…安定している仕事じゃないからね。ダンサーが安心して食べられる環境を整えていきたいけど、俺ひとりでどうにかできる話じゃない。プロは一握りで本当に頑張った人だけがなれるものだよね。
「人事を尽くして天命を待つ」って言葉が好きな言葉なんだけど、これは20代の頃からずっと胸の中にある。自分で努力もしないで運任せはいけないと思って。自分が精一杯やっていなくて出来なかったときはすごく後悔するけど、精一杯やって失敗してらさっぱり終われる。悔しくても納得できる。だから、やれるところまでやってみる。
編:SAMさんがテレビに出演するようになったのもダンスを広めることが目的だったのですか?
そう。TRFになる前にMEGA-MIX(メガミックス)というチームを組んでいたけど、そこで決めてたのは絶対にバックダンサーをしないこと。「自分たちはバックでなくメインだ、ダンサーがメインだから人のバックでは踊らない」、っていう信念をもって活動してた。
だけど最初に小室さんに「メガビックスのオリジナルの曲で踊ってみない?」と誘われてレコーディングに行ったときに、ボーカルがいて…。その日メンバーは皆驚いてがっくりして帰ったよ。しかも自分たちがいつも踊っているような曲ではなくてテクノみたいなテンポの速い曲だったから、やりたくないメンバーも出たよ。
だけど俺は”仕事”の一つとしてやっていこうと思ったの。自分たちの好きな曲だけじゃなくてどんな曲でも踊れないと”プロ”じゃない、って気持ちもあって。バックでもテレビに出て有名になれば、自分がかっこいいと思うダンスを広めていけるかもと思ったんだよね。
青春=可能性
10代の子を見ると本当に可能性があるなぁ、と。だって、なりたいと思えば何にでもなれるよね。そこに向かっていくのは自分自身なわけでさ。
編:自分自身も進路に悩みました。やはり大切なのはどこに進むかでなく気持ちですか?
うん。どこに進んでも可能性は全く変わらないと思う。オンリーワンになればいい。
編:60歳になったら学校をつくりたい、とおっしゃっていますがどのような学校にしたいですか?
漠然としてるけど、「FAME」というアメリカ映画のような雰囲気の学校にしたいんだよね。ダンスと演劇と歌と、と様々なことができる学校。もし本当につくるとしたら今までにないような、もっと独自の色が出せる学校にしたい。
ーー最後に、今ダンスを始めたいと思っている高校生にメッセージをお願いします!!
:やる、とにかくやることが大切!始めたいと思う気持ちがあるならすぐ始めてみればいいんじゃないかな。始めたいと思う気持ちがあるのにやらないと、10年後にやっておけばよかったと後悔する気がするよ。プロになることは別としても、音楽に合わせて体を動かすことは本当に楽しいし、上手くなればなるほどできる動きが増えてもっと楽しくなっていく。ぜひやろう!みんな!
10代の子は可能性に満ち溢れてるから、少しでもダンスを始めたいと思う気持ちがあればすぐ始めてみてほしい。