【前編】SAMさんが語るダンスと夢「抱いた夢は譲らない。」

2016年6月1日

 
 
今、日本ではダンスグループが人気を見せ、中学校ではダンスが必修化するなど、空前のダンスブームが巻き起こっています!そんな中、ダンサーとして活躍するSAMさんに取材をさせていただきました。
 
私は中学の頃からダンスを始めて、ダンスが大大大好きな高校生です!ダンスを始めてから私は積極的に人とコミュニケーションを取れるようになり、毎日が楽しくなったと思っています。音楽にのせて体を動かしているだけで楽しいし、何より仲間と共に努力したり、ステージでライトを浴びて多くのお客さんの前で踊れることが楽しいのです!
 
私が初めてSAMさんにお会いしたのは、以前ダンスのオーディションを受けた時でした。生徒に熱心にダンスを教え、真剣な私たちに対して熱いメッセージを送ってくださったSAMさんに、その時から大変憧れています。
そこで今回は、SAMさんの真意に迫り、ダンスの魅力を伝えるとともに、ダンスを始めたいと思っている高校生へのメッセージもいただきました!
 
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SAM(プロフィール)

15歳でダンスのおもしろさを知り、その後NYへダンス留学。あらゆるジャンルのダンスをバックボーンに持つ。TRFのメンバーとしての活躍はもちろん、アーティストの振り付けやプロデュースなど幅広い活動も行っている。近年は次世代ダンサーの育成や、多くのダンスオーディションを手がけ、自らダンススクールを設立し、レッスンも行っている。
 
 

「かっこいい」を追い求めて進んできた道

 
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ーーどうしてダンスを始められたんですか?
 

当時はディスコダンスの時代で、今みたいにストリートダンスが流行っている時代じゃなかったんだよ。元々俺たちがやっているダンスは黒人のソウルダンスをマネして始めたものだけど、そうしてマネして踊っている人たちが1970年代の日本にもたくさんいて、それがすごくかっこよく見えて、そんな人たちに憧れて始めたのがきっかけだった。

 

編:今はハウス(ダンスのジャンル)を専門にやられていますよね?ハウスを専門にしたきっかけは何だったんですか?

※ハウス:ハウスミュージックに合わせて踊る、素早い足さばきが特徴のダンス。
 

最初はソウルダンスから入って、ロボットダンスとかロッキンとかやって。アメリカから新しいダンスが入ってくる度にそれを覚えて、追っかけて練習していた。俺の場合はいろんなダンスをやりたかったからさ。30歳の時にハウスっていうダンスがニューヨークではやりだしたんだけど、まだ日本には届いてなくて。ハウスを見た時に自分が今までやってたダンスが全部ここで活かされるなあと思って、そこからはハウスを追求していった。

 
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ーーSAMさんにとってダンスとは何ですか?
 

なんだろうね…。もちろん仕事なんだけど(笑)
実はTRFでデビューする前から、ずっとダンサーでチーム組んだりしていて、人にも教えてたんだよ。もともとTRFをはじめたのも、自分たちがやっているストリートダンスっていうのは1970年代くらいからできたダンスですごく歴史が浅いけど、どんなダンスよりもかっこいいと思ってたからだし。だからこのダンスは世の中にもっと広まるだろうと思って、そのためにはテレビに出るしかないって思ったんだよね。それで「ダンスダンスダンス」って番組に出たりして。だからダンスは俺にとって仕事なんだけど、かっこいいと思って続けてきたもの。

 
ーー今ダンサー人口が増えていて、ダンススクールも日本に多くありますが、それだけ多くの人がやるダンスの魅力はなんでしょう?
 

楽しみ方!やっぱり音楽に合わせて体を動すっていうのは、本能的に持っている感情なのかな。本当に大昔から踊りと音楽は2つセットで、雨を降らすための祈りのダンスとか、人が亡くなったときに悲しむダンスとか、ずっと昔からダンスは存在していた。もともと人は踊りたいって感情を持っていると思うんだよ。だけど今はダンスを職業にしている人しか踊らないみたいな流れもあるよね。
昔は先生もいなかったから、うまい人見て盗んで覚えるっていう感じだったけど、今はスタジオも増えてスクールに入りやすいし、先生も多くいるから環境もすごくプラスで、人口が増えているきっかけの一つだと思う。

 

抱いた”夢”は譲らない、ダンサーになる覚悟

 
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ーー自分でダンススクールを設立したのはなぜですか?
 

20歳ぐらいの時に、「30歳までに絶対に有名になってやる!」とか、なんとなく10年ごとのビジョンがあって、40歳になったらスタジオを作ろうって決めていた。それまでは自分が踊ることに一生懸命だったんだけど、40歳になったときに「自分がやってきたことを人に教えたいな」と思い始めて、そこからはいいダンサーをどのくらい育てられるか考えている。そのためにはスタジオを作ろう、と。スタジオがあれば人が集まってくるからね。

 

編:そんな夢をかなえるためのプランは昔から持っていたんですか?

 

漠然とでもいいからそういうのがあった方がいいと思うよ。5年後こうなっていたいなとか、10年後こうなっていたいなとかイメージするんだよ。仕事でも遊びでも趣味でもいいんだけど、そういうのを持っていると少しずつ実現していくと思う。普段は忘れているけど、そういう10年後こうしていたいなっていうのを思い出していくとどんどん成功していくし、知らない間にその方向に向かっていくものだと思う。不思議だけど、本当にそうなんだよね。

 

編:高校生の時に漠然と思い描いていたことは何ですか?

 

高校生の時はバカだったからね(笑)ダンスのことばっかり考えていた。両親が医者でずっと僕を医者にさせようとしていて、医学部のある付属中学校に入ったんだけど、高校生でダンスに目覚めて楽しくなっちゃって、学校も行かずにディスコばっかり行く高校生活を送ったんだよね。高3の時はプロのダンサーになってダンスで食べていきたいって思ってた。
卒業する時、親には大学には行かないって言ったよ。そうしたら30年前の話だし、ダンスやっているやつはおかしいか落ちこぼれみたいに思われていた時代だったから、「大学行かなくてどうすんの?ダンスなんかで食べていけないでしょ!!」って猛反対。でも俺はプロになるって言って譲らなかった。何がプロなのかさえ、自分でもわかっていなかったけど、自分が信念として持っていたのは、自分たちがやっているダンスはかっこいいってことだったから、絶対にこれは広まっていくっていう自信があった。

 
 
>>明日後編が続きます!!!!

憧れのSAMさんからこのような形で貴重なお話を聞くことが出来て、とても嬉しく、充実した時間でした!SAMさんのおっしゃっていた、青春は可能性だという言葉が非常に印象的で心に残りました。私もこれから壁にぶち当たることもあると思いますが、SAMさんのように、目標を持ってがむしゃらに励み、生きていきたいと思いました。

そして、SAMさんとお話することでダンスの魅力をより感じることができました。私は今後ずっと踊り続けていくつもりです。少しでもこの記事を読んでダンスに興味を持ってくれた方は、ぜひ!今すぐ!始めてみてください!!

しおり

ダンス部です!(※2015年3月高校生を卒業。)