【後編】スタディサプリLIVE day1レポート「行動には神様がオマケをつけてくれる。」

2016年8月23日

夏休みが始まり、学校の宿題に受験勉強に日々忙しい人も多いのではないでしょうか?そんな夏休みに進路に悩む高校生を対象に「スタディサプリLIVE」が開催されました。
 
IMG_8407
 
そんなスタディサプリLIVE1日目のイベントレポート後編です。
 

自分を信じることからはじめ、道は自分で切り拓く。

 
IMG_8480
 
クリスティン・ヘイデンさん
社会起業家、アショカ・フェロー。2002年にOneWorld Now!というシアトルの低所得者層やマイノリティーを対象にしたグローバルリーダーシッププログラムを立ち上げ、活動している。
 
15歳の時に南アフリカへ留学し、経験したことがきっかけでチェンジメーカーにないたいと思った、そう語るのはクリスティン・ヘイデンさんです。
当時の南アフリカでは人種隔離政策であるアパルトヘイトがまだ続いており、後に大統領に就任するネルソン・マンデラは投獄中でした。しかし、帰国して数年後、自分が目にして、この先数十年は終わることがないと思っていたアパルトヘイトが終わったことを知り、全ては可能だと確信したと言います。
「他人が不可能だと言った発明は今までも多く存在しています。しかし、それらの多くは実現してきました。これらは可能性を信じたビジョナリーによるものです。」
そのような瞬間に立ち会いながらも20代の頃はまだまだ不安でいっぱいだったというクリスティンさん。
「様々な体験や経験がどのように繋がるのかわかりませんでした。」
世界を変えたいと漠然と思いながらも、そのために何から始めればいいのかわからない状況でした。30歳になり、OneWorldNow!という団体を設立、まだまだ方法はわかりませんでしたが、自分のビジョンへと行動することを始めます。
 
「なぜビジョンなのか?それはビジョンが私たちを突き動かし、みなさんを必要としているからです。Be BOLD, Dream BIG.」
私たちは何ができるか受け止め、そしてそれを信じてしまいます。しかし、想像できればそれは実現可能なのだとクリスティンさんは繰り返し訴えます。
「予想外の出来事も多く待ち受ける人生だからこそ、”Create your own path” 道は自分で切り拓くもので、そのためにまずは実現可能なのだと自分を信じることから始めるしかありません。
 

大人の空気の飲み込まれないために、上手に怒られる。

 
IMG_8495
 
田村淳さん
お笑い芸人。ロンドンブーツ1号2号として活動する。その傍らで音楽活動や、番組を個人製作するなど様々な活動を行う。
 
突然提示された日本の人口ピラミッド。65歳以上が4人に1人という状況だからこそ、「大人の空気に飲み込まれるな。」そんなメッセージからロンドンブーツ田村淳さんのスピーチは始まります。
髪型を突然パンチパーマに変えたこと、芸人でありながらビジュアル系ロックバンドを結成したこと、「淳の休日」という個人製作の番組をつくったこと。様々な挑戦で見えてきたのはどこまでやると他人に怒られるかということだと言います。
「怒られることを好んでやってほしいんです。うまく怒られた方が自分の世界が広がります。なぜなら怒られないって安全なラインの中で生きていることに他ならないから。
 
こういった挑戦をよく思わない人もいるのも事実です。しかし、42歳である田村さんがここまで争っているなら10代は争えないわけがないと言います。怒られることを怖がって、発信しなければめぐり合うことのできないチャンス。だからこそ発信が重要です。
「例えば好きな相手ができたとき何よりも大切なのはお金じゃなくて避妊だけど、はしたないとか、空気的によくないからってそれをしっかり説明してくれる大人がいないんだよ。こういうことを言うことすらリスキーだけど、みんなにそんな空気に飲み込まれてほしくないと思って伝えるよ。俺は言って欲しかったから。」
誰かに批判される、怒られる、だからやらないでおこう。そうすることは簡単ですが、まずはやってみて、怒られて、そこから始まるのかもしれません。
 

世の中の当たり前は誰かが作ったルール、変えられないわけがない。

 
IMG_8507
 
岩本美咲さん
東京大学に在籍。現在は大学を休学して「働ける美術館」ART HOUSEの事業を手掛ける。起業家。
 
3歳のときに両親が離婚して以来、父親に会うことなく過ごした岩本さんは英語が得意でないにもかかわらず、高校2年生のとき留学することを決断、そこで待ち受けていたのは誰も自分に興味を持ってくれない環境でした。そんな中で話しかけるのを待って、自分はどんな人間か表現することができないことに気づきました。帰国後は自分の限界に挑戦するために東大を受験、4年生になったことにはたくさんの会社から内定をもらう順風満帆な学生生活を送りました。
「東大を出てキャリアウーマンになる、そんな道をエリートコースだと思うかもしれません。でもそれは私にとって世間が決めたカッコイイだったんです。」
そうしてどこの会社にも入りたくない自分を見つけ、内定は辞退し自分で起業しました。
「いろんな違和感を感じることはありませんか?私はたくさんあります。世の中の当たり前は誰かが作ったルールです。だから変えられないわけがありません。私も迷いながらも、毎日生きています。」
 

「あなただから」できることを見つける大切さ。

 
IMG_8514
 
伊藤大介さん
首都大学東京に在籍。アルビノを持つ1人としてアルビノへの差別が続く地域などへ赴き、支援を行う。
 
遺伝の病気で治療法が見つかっていないアルビノ、そんなアルビノの1人である伊藤大介さんは常に長袖長スボン、日焼け止めを塗り、クラスの席は前の方です。その見た目から髪の毛を染めているの?ハーフ?そんな質問を受けてきました。
「同じ日本人なのに説明しなくてはいけないことに悔しさを感じていました。周囲の質問に悪意はありません。それでも僕は傷ついていました。」
どうしようもないと諦め、髪の毛を黒色に染めたり、ハーフのふりをしたこともあったと言います。しかし、留学を経験し外見が違うことが当たり前でそれらの違いを受け止める世界を見たとき、考え方が変わりました。
「僕でもできること、から僕だからできることを考えるようになったんです。」
トビタテ留学JAPANを使ってアルビノへの差別がまだまだ続くアフリカの地域へ渡航、そこで自分にできることは何かを問い続けながら活動をしています。
「みなさんも弱さ、負い目、恥ずかしさと向き合う勇気を持ってください。それが個性や才能になるかもしれません。あなたでもできる、じゃない、あなただからできる。そう考えて世界へ飛び込んできてください。」
 

行動には神様がオマケをつけてくれる。

 
IMG_8520
 
遠山正道さん
三菱商事株式会社で働いた後、Soup Stock Tokyo、giraffeなどを手掛ける株式会社スマイルズを立ち上げる。
 
「外じゃなくて、内側に理由を持って欲しい」そう語るのはSoup Stock Tokyoなどを手がける遠山正道さんです。元々は大企業に務めるサラリーマンだった遠山さん、しかし満足していない自分に気づき絵の個展を開きました。そこから「人生のハンドルを切り、アクセルを踏んで」今に至ります。
決して絵の個展をやる理由は合理的でなかったと言います、しかしやりたくてしょうがないことだから仕事と両立して挑戦することができました。
行動には神様がオマケをつけてくれる。
そんな力強いメッセージはそれまでの経験から絞り出されたメッセージです。
 
「行動することに意味があります。だけど人間って未来に対してリスクを感じる生き物なんです。だから腹を決めなくちゃいけないし、そのためには理由が欲しいんだよね。」
だからこそ自分自身の中の必然性があるかどうかが大切だと言う遠山さん。そこで提案するのが『時限爆弾ないしタイムマシーンとしての100のやりたいこと』です。今なんとなくやってみたいことをノートに書き出しておくこと、そうすると新しい何かをやるときの理由へ変わっていきます。
「何かをやる理由は合理的でなくてもいいんです。自分には正直に。未来への時限爆弾を僕のように書いておくといいと思います。」
 

誰でも100万分の1の存在になれる。

 
IMG_8533
 
藤原和博さん
株式会社リクルート(現・リクルートホールディングス)で長年様々な事業を手がけ、2003年に日本全国初の民間人校長として杉並区立和田中学校校長を務める。現在は奈良市立一条高校校長。
 
どうしたら1時間あたりの付加価値が高い仕事につけるか、そんな問いを考えるところから始まったのは藤原和博さんのスピーチです。頑張り、大変さ、年齢などではなくその答えは『希少性』だと言います。誰でもできる仕事かどうか、そのかけがえのなさが上がれば1時間あたりの給料も上がります。
「みんなびっくりするかもしれないけど、全ての人が絶対に100万分の1の希少な存在になることができます。
 
一体どうすれば100万分の1の存在になれるのか、その答えは複数の分野のかけ算です。
「1つの分野でピラミッドの頂点に立つ必要はないんです。いくつかの分野で100分の1にまずはなってください。それが2つで1万分の1、3つで100万分の1です。」
ここで藤原さんが伝えるのは自分をレアカード化する大切さです。強みをかけ算して、ひとりひとりが自分だけの希少性を持つことそれは自分たちが思っている以上に簡単なことなのかもしれません。
「みんな一緒の方向に行くと価値は落ちてしまいます。だから後ろを振り返っても誰もいません。それは寂しいかもしれない。でも耐えて、進んでください。」
 
スタディサプリLIVE1日目のイベントレポートは以上です。
みなさんは何のために勉強をしますか?そして、大学に入ってからどんなことを学んで、どんな大人になりたいですか?
きっとこの答えを見つけるのは簡単ではありません。実際にこのイベントを取材した自分もこのような質問にはっきりと答えることはできません。それでもこんな問いを自分自身に問いかけ続けることが重要なのではないでしょうか。明日は引き続き2日目の様子をお伝えしていきます。

事務局・千葉雄登

この記事は高校生ではなく、僕が執筆させていただきました!/青春基地ウェブ運営部ディレクター・慶應義塾大学2年