【前編】スタディサプリLIVE day2レポート「他人任せにせず、自分の道は自分で決めて歩く。」

2016年8月26日

夏休みが始まり、学校の宿題に受験勉強に日々忙しい人も多いのではないでしょうか?そんな夏休みに進路に悩む高校生を対象に「スタディサプリLIVE」が開催されました。
 
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RECRUIT MARKETING PARTNERSが主催するこのイベントは2日間で20名以上のゲストが登壇し、自分が今まで歩んできた道のりや、その中でどのように進む道を決めてきたのか、高校生へのメッセージを伝えるものです。
 

ネガティブなものをポジティブに変える転換力。

 
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井上裕介さん
お笑いタレント。高校時代に仲の良かった石田明と一緒にノンスタイルを結成。ツッコミを担当。吉本ブサイクラインキングで3年連続1位、殿堂入りを果たす。
 
ブサイクランキング3年連続第一位、殿堂入り。大金を積まれても結婚したくないランキング第一位などたくさんの負のランキングを総なめにしているノンスタイル・井上裕介さん。
「もらった言葉に落ち込むっていうのは実は一番楽ですし、逃げてしまえばいいんです。戦う方がしんどいし、カロリーも使うんです。」
それでもネガティブな言葉の数々をポジティブなものに変えるのは受け手の気持ち次第で人生が楽しくなるからだと言います。井上さんのTwitterへは様々な悪口があらゆる人から送られてきます。
「だったら、この悪口を利用してもっとたくさんの人に笑顔になってもらおうと思ったんです。そうやって考えるだけで人生の見方が変わるんじゃないかな。」
どれだけポジティブに振る舞う井上さんにも落ち込む時はあります。それでも心がけているのは嫌なことを次の日に持ち込まないことです。
「嫌な気持ちでベットに入らないと決めたら、ちょっとでもポジティブに切り変われるかなと思ったんです。今日も笑顔だった、明日も笑顔かな、その積み重ねで生きていける気がします。」
 
高校生に向けてなんとなく生きないでほしいと言う井上さん。時間は無限じゃないからこそ、自分で進む道を決めて真剣に悩んでほしいというメッセージを送ります。
「今ってチャレンジしにくい社会だと思うんですよ。もっと無茶したいけどネットでそのイメージが広まってしまうリスクがあったり。でも、それを打破するためにも一度はチャレンジしてください。勉強しないなら、一生懸命遊んでください。その代わり自分が決めたことには全力で取り組む。それをやればポジティブになれると思います。
 

大事なことはHowよりWhat、何を実現したいのか。

 
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竹村真一さん
京都造形芸術大学教授。世界初のデジタル地球儀「触れる地球」の企画・開発を行う。
 
私たちが使っている地球儀は実は信長の時代から変わっていません。21世紀を生きる人のための地球儀を作る、そんな思いで竹村さんが作ったのが「触れる地球」です。この「触れる地球」は肉眼では見えないことも可視化してくれます。
「僕は科学者でも、エンジニアでもありません。人類学者です。」
それではなぜ竹村さんは「触れる地球」の開発を行ったのでしょうか?そのきっかけはボルネオに住むある民族との出会いでした。
インドネシアの奥地にあるボルネオ、そこには半世紀前までは首刈りをしていた民族が今でも暮らしています。私たちはつい原始的な生活をイメージしますが、若い人は出稼ぎに行き、テレビでマラドーナーを見て熱狂するなどその生活は私たちがイメージする原始的なものとは異なります。
「私はボルネオの奥地でテレビでマラドーナを見て熱狂する人々を見て、地球全体が繋がって震える時代が来ていると確信したんです。」
地球は1つ。そんな思いから21世紀のグローバル人材を育てることのできる地球儀づくりをはじめます。
その時大事なことはHowよりもWhatでした。手段はいくらでもあります。でも大事なのはWhat、つまり何を作りたいのかでした。
Whatを見極める方向で生きて欲しいと語る竹村さん。この「触れる地球」は越境して捲き起こる出来事を見ることを可能にしました。地球温暖化が叫ばれていますが、そんな現状も自分たちの行動で変えていくことができます。
「20世紀のエネルギーは無駄の多かった。でもそれは伸びしろがあると捉えることもできるはずです。今を生きる人間は、今まで他の生物がそうしてきたように地球のOSを変えつつあるんです。」
 

伝えたいのは自分で決めた道を歩いていくことの大切さ。

 
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菊川怜さん
東京大学工学部建築学科卒業。雑誌の専属モデルで芸能界デビューし、その後女優やMCなど幅広い舞台で活躍する。
 
中学校、高校は中高一貫の女子校。進学校で受験勉強に励んだ3年間でした。塾も週5日、部活は週1日程度。当時から理系の科目が好きで、進路は理系を選択することになります。
「先生の教え方が私の好奇心を惹きつけたんです。先生が答えを教えてくれなくて、私たちに考えさせて答えを導かせたんです。誰よりも先にわかるのが楽しくて仕方がなかったんです。」
そんな答えが1つの理系の魅力を語る菊川さんですが、社会に出てから答えのない問いの多さに悩まされたとも言います。
受験勉強も大学に入ることが目的化、大学に入ってから何を勉強したいのかが見つかっていませんでした。理系の中で建築を選んだ理由はより世の中と密接に関わっている仕事を選択したかったため、デザインができるという面も魅力的でした。
 
大学2年生の時にスカウトされ、雑誌の専属モデルとして芸能界デビュー。当時は大学で学びながら仕事もこなす、「二足のわらじ」状態でした。
「建築学科に入ったものの、建築家になろうと決めたわけではなかったんです。何がやりたいのか分からない中で、高校生の頃に女優の仕事に憧れていました。一度遠ざけたその思いがよみがえってきたんです。」
普段は優柔不断で決断することが苦手な菊川さんも憧れの思いが強く、迷うことがありませんでした。
「自分がやりたいと思うことについ出会えたことが嬉しかったんです。」
社会人経験もないし、演技の経験もないなかで仕事を通して勉強をしていきます。大変なことも多かったものの、自分で決断し、努力したからこそ素敵なものが待っていると言います。
「分からないことは素直に教えてください!といったほうがいいと思います。それから人生を今決めないと、と焦らなくても大丈夫です。やりたいことが変わってもいいんです。とにかく他人に決めてもらうのではなく、自分で決めて道を歩くことを意識してほしいと思います。
 

確率が0%でないならば、努力次第で夢は実現可能になる。

 
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袴田武史さん
米・ジョージア工科大大学院で航空宇宙工学修士号を取得後、経営コンサルティング会社に入社。現在は株式会社ispaceを設立し、民間月面ロボット探査レースに参加中。
 
Google Lunar x prizeという月面で500m以上走行しその様子を撮影したチームに賞金20億円が贈呈される大会に日本から唯一参加しているチーム「ハクト」を率いるのが袴田さんです。世界最軽量4kgのローバーを作成、東北大学やプロボノと呼ばれるボランティアの人々とプロジェクトを進めています。ハクトは来年の終わりまでにつきへ向けて打ち上げを行う予定です。
「固有名詞というのは誰かが仕事をしているものの名前です。その仕事の名前で捉えてしまうと狭い定義で夢を考えてしまいます。だから、もう一段高いレベルでなぜそれをやりたいのかを考えましょう。」
袴田さん自身、スターウォーズを見て宇宙に憧れ、エンジニアを目指しますが、ふと自分はエンジニアになりたかったのだろうかと疑問に思います。そこで大学院を出てビジネスの世界へと進みました。民間の宇宙開発で本当に足りないのは経営者であり、リーダーだと考えたからです。
「夢を実現する。これは簡単なことではありません。このプロジェクトには50億円が必要でした。非現実的な金額ですが、成功する確率は0%ではないと思ったんです。それを50%、90%と持っていくのは自分の努力で可能だと考えました。
本格的にやる必要があると考え、仕事をやめて100%コミット。お金も一度は底をつきましたが、1人の投資家のおかげで資金調達に成功します。そんなハクトでの経験から袴田さんが伝えたいことは決断することの大切さです。
「自分の思いから決断する必要があります。答えは自分の中にあります。」
 

若いときほどやれることの幅は広い。

 
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おかずクラブ
2015年元旦に放送された「ぐるナイ」の出演を機にブレイクしたお笑いタレント。
 
ゆいPさんは大学にとりあえず進学、お笑い芸人になる気は全くなかったと言います。しかし就職活動をはじめてすぐにいくつかの企業から不採用の通知がきたことをきっかけに自分が得意だった人を笑わせることを仕事にすることを決意します。
「2~3社落ちて、もう無理だと思ったんです。エントリーシート1枚で私の何がわかるんだよって。母親がそのころ長年の夢だった海外ボランティアに挑戦していたので、夢を叶えるのって何歳になってからでもいいんだと思えたんです。」
オカリナさんはとりあえずお金を稼ぎたいと思い、高校2年のときに知ったM1グランプリをきっかけにお笑いの道へ進もうと考えました。しかし、当時奨学金を借りていたため、そしてその奨学金が3年間の看護師としての勤務を条件に支給されていたため看護師として働いたのちによしもとの養成所に入りました。
「当時、お笑いならいけるじゃないかって思ったんです。当たり前ですけど、そこまで簡単でないんですけど。そこまでお笑いが好きじゃなかったから簡単になれると思っていました。」
コンビを組んで今年で8年目、順調に売れる人でも5年間はかかる世界。世の中に出ることはとても難しいのが現実です。
「私たちは運が良かったんです。夢を追いかけろ、なんて無責任なことは言えないんですけど、若いうちの方がやれることの範囲は広いと思います。
それと同時にお金の大切さも身にしみたというおかずクラブの2人。ゆいPさんは先月ようやく奨学金を返済し終えました。だからこそ、やりたいことをやる。そのためにはお金も必要だと言います。

事務局・千葉雄登

この記事は高校生ではなく、僕が執筆させていただきました!/青春基地ウェブ運営部ディレクター・慶應義塾大学2年