タブー企画!?歌舞伎町に潜入してみた。【前編】―水商売の世界についてホストクラブ経営者・手塚マキさんに聞く

2016年6月23日

 
高校生編集部のももです!
 
 
今回はなんと…「歌舞伎町」に潜入してきました!!
「歌舞伎町」と聞いてみなさん、何を想像しますか?
自分は、キャバクラやホストクラブがある、大人な街っていうイメージで、ドラマでしか見たことのない感じです(笑)
 
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今回、高校生編集部たちは歌舞伎町でホストクラブを経営する、元ホストの手塚マキさんに、歌舞伎町の街のことや、マキさんがなぜこの世界に飛び込んだかなど、いろいろお話が聞けました。
 
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手塚マキさん>>新宿・歌舞伎町ホストクラブSmappa!Group会長、ホスト中心のボランティア団体「夜鳥の界」発起人。毎月3日にホストを中心にゴミ拾いをしている。著書は 『自分をあきらめるにはまだ早い』、『「ありがとう」を言いたくてお母さんへのラブレター』。24時間歌舞伎町から番組配信を続ける歌舞伎町放送局「TOCACOCAN等価交換」を手がけている。
 
 
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ーー大学在学中にホストになったそうですが、きっかけはなんでしたか?

最初は、アルバイトとして始めました。当時は今ほどホストクラブって有名じゃなかったんです。
実家は田舎だったので、東京に憧れがあって上京してきたんですが、親からお金をもらって生活するのが嫌で。高校生の時から自立したいと強く思っていて、夜間の大学に行って早く働きかった。高校の普通科に行くのも嫌だったんですよ。

 

ーーええ!?すごいですね。

水商売の世界に入ったのは興味本位でしたが、入ってみたらそんな簡単な世界ではなかった。しかしそれが逆にバイオレンスで、ヒリヒリしていて面白いなと思った。大学の先輩と比べ物にならないくらい水商売で働く先輩がかっこよかった。
この世界は真剣に日々仕事をしていないと生きていけない。大学で呑気に4年間行くより、水商売の世界にいたほうが自分自身成長できると思いました。

 

ーーそんな厳しい世界でなぜ続けられたんですか?

大学に通う同級生より、自分のほうが成長してやろうという思いがあったからかな。先のことは考えてなかった。後悔はないです。勉強はいつからでもできるじゃないですか。もちろん今からでも。

 

ーー若いときにしかできないことって、何だと思いますか?

若いころは多感で感覚の幅が広いけど、年をとると他の選択肢を見なくなる。選択の幅があるときに、特別な経験を真剣にした方がいいと思う。たくさんの経験をするのではなく、特別な経験を真剣に。
それは自分にとって特別で大切で、大人になった時に自分の考え方や生きるベースになるはず。
中途半端に広く浅い経験は逆にマイナスになる。でも幅広い視野という寛容力は大人になっても持っていられるように今から意識しておいた方がいいと思う。
 
若い時にする悪いことは後悔として一生残るよ(笑)忘れないもん。

 

ーーマキさんがした悪いこととはなんですか?二股とか!?笑

学生には刺激が強すぎて、言えないよ(笑)

 

ーーでも去年ご結婚されたんですよね!?

相手と自分との関係性に他ならないけど、枠を一つ大きく考えようと思ったからかなあ。ホストクラブをちゃんと社会の一部にしていくために、社会の枠組みの一つである結婚もしてみようと思ったよ。
それまではホストであるせいで生きづらいことも多く、「社会なんて!」と思っていたんだけどね。でも今までやってきたことはしょうがないし、それを否定してたら自分を否定することになるからね。
人生は繋がっていて自分の過去を肯定するために生きている。だから過去は変えられると思っている。あれがあったから今があると、あとから考えると過去の経験が成功にも失敗にもなると思う。

 

ーーホストのサービスとはなんですか?

「マニュアルサービス」とは自分はこうすると決めたとおりに仕事をしていくこと。ホストはそうではなく、「プロフェッショナルサービス」であり、お客さんによってやり方を変えていかなければなりません。お客さんと一緒に悩んで問題を考えていくことが大切で、自分も入り込んでいくことも多いです。
ホストクラブは「最高の二番手である場所」です。お客さんの心の足りない隙間を埋めてあげられる場所であり、お客さんはそこを一緒につくるパートナーだと考えています。
でも入り込み過ぎず、どこかで止まらないといけない。チキンレースみたいなものです。

 

ーー初対面のお客さんとすぐ仲良くなれるのはなぜですか?

いや、私はとてもシャイで、なるべく知らない人とは会わないで過ごしてきたよ。だって同じ人といたほうが楽だし、深く考えて話したいからね。
ホストによって違うけど、大前提としてお客さんに楽しい時間を過ごしてもらいたいというのは同じだと思うよ。だから好きな人のことは自然に覚えられるし、興味を持って話せると思うよ。

 

ーーずばり!!人気のあるホストとはどういう人ですか?

まず、ルックスではないです。経験則で、お客さんを見分けているだけでセンスでもある。当たり前だけどテクニックもあると思うし、お客さんも当たり前なキザなサービスを求めているのは事実ですけどね。

 

ーーそうなんですね。常連のお客さんが来なくなるのはどんな気持ですか?

代用品だったホストがなくてはならないものになってしまう時もあるが、そういった過剰になってしまった時うまく調節して、本当の上手なホストなら旅立たせます。
でも、ずっと来てくれていて、ホストクラブが生活の一部になってるのはそれでいいし、嬉しいです。人間は心を豊かにするために生きているのだからホストクラブは世の中に必要だと思う。
あとはキャバクラやクラブはいいのにホストクラブが否定されるのは女性差別だと思う。ホストクラブも、もっとあっていいと思う。

 

ーーどのくらいの年代のお客さんがいますか?

とっても幅広いよ。値段も安くなっているから20歳ぐらいの子も来る。

 

ーーそうなんですか?いくらぐらい?

初回料金は、3000円。

 

ーーそんなに安いんだ(・・;)

最初はね。ホストクラブにはお客さんそれぞれ、いろんな気持ちで来ている。
でもお金をつかうと楽しいし、たくさんお金を使うという自己顕示欲や、気持ちがいいという感覚もあるから、「そんなにお金を使わないでいいよ」というのも失礼になると思う。
ただ、みんなのイメージする騙しているホストクラブは一部だよ。

 

ーーホストクラブって正直、儲かるんですか?

売れてきた21歳当時の100万円は超大金に感じた。最初の頃は全然給料もらえなかったからね。

 

ーーマキさんは、この仕事は特別だと思いますか?

「職業に貴賎なし」というように、仕事の内容・種類に価値があるのではなく、どういう想いで何をしているかが大切。大学を中退して水商売の世界に入っても、自分がどうあるべきかは普通に企業に就職する人と変わらないと思っているよ。

 
 
私達にとって中々知ることの出来ない未知のシゴト。 そんな世界に飛び込んだマキさんのことや、ホストの世界の厳しさなどいろんなことが知れた時間でした。
後編では、マキさんの元で働くホストの方々へのインタビューを掲載しますのでお楽しみに!!
 
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※取材は営業時間外の夕方に行っています。念のため警察への問い合わせの結果、法律・条例等の問題はないと回答をいただいています。

もも

横浜生まれの横浜育ちの高校2年生。青春基地の他、U-19のためのまち「ミニヨコハマシティ」や、 中高生がまちづくりの現場で地域の活性を大人と一緒に目指していく「特命こども地域アクター」に参加しています。