10代の頃出会ってよかったと思う情報ってどんなものですか?

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青春基地1周年記念イベントレポート「みんなで考えるこれからの10代メディア」【後編】

2016年12月9日

10代の頃出会ってよかったと思う情報ってどんなものですか?

 
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植原:これからの10代を考えるにあたって、自分がこれまで出会ってきてよかったと思う情報について考えてみたいと思います。
 
坪井:僕は新聞も読んでいなければ、人生を動かされたような経験もないですね。その原体験はとても大事にしようと思っています。メディアで人生を変えられていない人がメディアの世界にいることが、重要な気がするんです。
 
植原:なるほど。ちょっとこの辺で、昔話になってきてしまうので、もう一人ゲストを招きたいと思います。高校1年生のあーやちゃんです。
 
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あーや:はじめまして、高校1年生のあーやです。プログラミングをやっていて、Apple Storeでフォットンというアプリをリリースしています。それが趣味みたいな感じです。笑
 
植原:これだけで衝撃を受けるよね。しかも普通にいいアプリなんですよ!使いやすい!ちなみにあーやちゃんは普段どんなメディアやアプリに触れていますか?
 
あーや:好きなメディアってあまりありません。正直、メディアの定義もよくわからないし…だから一番よく読むのはFacebookとかでタイムラインに流れてくる記事ですね。知り合いの人とかが「いいね」を押した記事が上がってくるのでそれを読みます。
 
植原:Facebookでつながっているのは大学生とかが多いんですか?
 
あーや:そうですね。学校の友達はFacebookはあまりやっていないし、繋がっていないので。
 
植原:ちなみに、いま使うSNSってどんなもの?
 
あーや:TwitterとLINE。コミュニケーションはLINEだけど、不特定多数に対して情報を届けたい時はTwitterですね。LINEってクローズで、仲良くないとあまり話さないけど、Twitterだったら知っている人はフォローして会話します。
 
植原:そもそもなぜプログラミングをはじめたんですか?
 
あーや:小学4年生の時、どうしてもiPadがほしくて…
iPadを買ってもらった後はその中のアプリで画像をトリミングしたり、CMをつくるアプリでCMをひたすらつくったり。中学2年生になった時にプログラミングを始めました。
 
植原:会場置いてきぼりですね…笑
これを聞いて、ゲストのおじさんたち、どう思いますか?
 
鳥井:僕らってネットとリアルを分けたがりますよね?「ネットはこう、リアルはこう」みたいに。でも彼女はそこがシームレスだなと感じます。本来はそうあるべきですよね。ネットだとか紙だとか言ってる暇ありませんよね。すごく勉強になりました。
 
植原:我々ってもともとリアルしか存在しないところにネットが生まれたからついつい分けて考えてしまいますけど、生まれた時にはすでにネットがあるからそこは当たり前なんですよね。
 
池田:ちなみにあーやさんって将来どんなことをしたいとかあるんですか?
 
あーや:IT系に進むつもりは微塵もありません。社会に新しいものを作りたいし、社会の不便を改善する何かを作りたいと思っています。プログラミングって年齢関係なく、技術があれば変えることができるから良いなって思うんです。
今はプログラミングが好きですが、将来続けるかって言われると…たぶんやらない。
 
植原:今のインタビューしたいくらいですね。
 
池田:以上です。笑
 
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坪井:なんだろう、あーやさんは僕らから見るとすごいんですけど、同世代からするとたぶんそんなにすごくないんだろうっていうのが正直あると思うんです。
僕も、なんでこれが欲しいのか今思うとわからないようなおもちゃをクリスマスにねだっていたりしたんですよ。そのうちギターを買って、書けない詞を書いてみて。たぶんそれが、あーやさんにとってはたまたまiPadでプログラミングなんだと思うんですよ。
無理矢理メディアに引きつけるとしたら、僕らが思っているメディアってやりすぎだと思うんですよね。僕ら自身が思っている「メディア」をやりたがりすぎだと思うんですね。本当に伝えたいことがまずはあって、それを一番伝えることができる方法があって当たり前としてあるのだとしたら、それをやればいいだけだと思うんです。「Webサイトがあって、そこに記事があり、TwitterとFacebookアカウントがあって、その記事を紹介します」みたいな。今の当たり前ってこういうもんだよね、ってところから考え直さないといけないなと思いますね。
 
植原:僕らって仕事柄、メディアについて四六時中考えていると思うんですが、メディアの良いところってどんなところだと思いますか?読み手というよりも、作り手としてどう思うか教えてください。
 
坪井:僕はメディアをすごく良いものだとは思っていないんです。メディアって良いもので特別だって思ってしまうと、それを作る人が特権階級みたいになってしまう。それは自分に対しても戒めたいなと。メディアは数ある仕事の中でたまたま情報を発信する役割を担っているだけ。そうやってフラットに捉えるように努力しています。
ただクリエイターの観点からすれば、自分が問題意識を持つことについて世の中に問うて、それに対して良かった・悪かったと言ってもらえて、共感してもらえると楽しいですよね。世の中が動く音がする。
僕はハフィントンポストがある前と後で、世の中が少しでも良くなっていると思えるような仕事をしていけたらいいなと思っています。メディアは他のものづくりよりも明らかに読者との距離感が近いので、より深く実感できる可能性はあります。
 
池田:オルタナSってたくさんの大学生と一緒につくっているんですが、最後まで残る大学生って本当にごく一握りなんです。それぞれがやりたいことを見つけたり、羽ばたいていくので良いことでもあるんですが、残ってくれた子とは連絡を取り続けます。そのつながりが個人的にはすごく大きな財産ですね。
 
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鳥井:メディアって「出し手」と「受け手」がいて、そこの構造って変わらないように見えますが、「出し手」になると情報が集まってくるんです。自分が出せば出すほど、そこには情報が集まる。糸井重里さんの「インターネット的」という本にある言葉ですが、そこに「情報の交差点」が生まれるんです。自分で情報の交差点をつくり、手に入れたい情報を手に入れられるようになることってすごく良いことですよ。
だからメディアってもう一つの専門職ではなくて、自己表現の手段ですよね。EVERYDENIMというブランドと今いろいろなことを仕掛けさせてもらっていますが、これは情報発信能力を持っているからだと思うんです。自分がやりたいことを成し遂げるために、情報はどんどん発信していった方が良い。
 
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石黒:メディアってとても奥が深いものだと思う一方で、つくり手と読み手の境目が非常に曖昧になってきているなと思うんです。書けば書くほど味が出てきて、楽しくなってくる。でも書くこと自体は誰でも今はできるんです。そこのハードルをMixChannelのようなアプリがさらにハードルを下げていると感じます。
「あの人すごい!」と受け止めることに終始せずに、自分もやってみることができる。しかも無意識的に。これってすごいことだなと思うんです。
 
植原:greenz.jpもそうなんですよね。情報を発信するのは、自分のつくりたい社会や、こういう暮らしがほしいという思いを発信することでピンと来る人が読んでくれたり、集まってくれたりしています。これってすごい大きな役割だと思います。読み手の人生の何か大きなきっかけになる、記事を読むだけで終わらずにつながることで変わることがある。人との出会いやきっかけをつくるって、こういうインターネット環境の今だからこそすごく大事なメディアの役割だと感じます。
 


「みんなで考える、これからの10代メディア」いかがでしたか?
テレビや雑誌からスマホに大きく変わりつつある10代を取り巻くメディアの環境は変わり続けています。そんな中で改めて、今まで当たり前とされてきたやり方を真似するだけではなく、10代のためのメディアだからこそ考えられる届け方があると感じました。今はちょっと真面目な10代のウェブマガジンですが、もっと読まれるものになるために、これからも頑張ります!
 
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ゲストのみなさん、来場してくださったみなさん、ありがとうございました!これからもウェブマガジン「青春基地」をよろしくお願いいたします!

事務局・千葉雄登

この記事は高校生ではなく、僕が執筆させていただきました!/青春基地ウェブ運営部ディレクター・慶應義塾大学2年