ネパールとの交流で気づいた私たちにでもできる、「心のケア」

2016年8月17日

仙台に住む高校3年生の安田遥です。
みなさんはどんな一日をおすごしでしょうか?
 

防災と心のケアについて伝えたい。

 
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さて、今回は「震災」の話をします。
震災の話といっても、私は津波をこの目で見たわけでも、家や大切な人を失ったわけではありません。そんな私が伝えたいことは「防災」と「心のケア」の事です。
 
「防災」「心のケア」を考えるきっかけとなったのは、東日本大震災。そのことに関して行動を起こすきっかけになったのは2015年4月にあった「ネパール地震」でした。
ネパールの高校生が宮城県まで足を運び、私をはじめとした東北の高校生と「防災」「心のケア」を学びました。「防災」を学んだ時に、ネパールと日本は大きな違いがあることに気が付きます。彼らの話を聞く限り、日本の防災をすべてネパールに適合することはできないと思ったのです。
それは、私たちの防災というと、「地震が来たら机の下に隠れる」事が当たり前であるけれど、ネパールはレンガの建物が多く耐震性が弱いために、机の下に隠れても建物ごとつぶれてしまうため、「外にすぐに出る」ことが命を守ることになるからです。
また、避難所に関しても違いがありました。3月11日の私の住んでいる地域は基本的には小学校の体育館や公共の施設の建物内に避難する人がほとんどでした。避難所内は決して居心地の良い環境ではありませんでしたが、雪の降っていた当時、外の天候などの危険や厳しい状況から安心して身を守ることのできる環境がありました。
 
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しかし、ネパールでは建物の中に避難することが危険な場合があり、日本に来ていた彼らから、テントの中に避難していたということを聞きました。そういった面においても、日本の避難所で簡易的に仕切りを作り、プライバシーを守るなどの工夫をして環境の改善を行う以前に、海外の被災地では安心して過ごせる環境が当たり前にあるわけでないと厳しい現実があることを知りました。
これは、ネパールだけでなく津波で被災をした地域においても言えることであり、ひとえに被災地と言って各地の課題はさまざまで、その環境にあわせた防災が重要です。
 

私たちにでもできる「心のケア」とは。

 
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「心のケア」については、私たち高校生でも無資格で行うことのできる効果的な方法があることを知りました。
「サイコロジカルファーストエイド」Psychological First AidというものでWHO(世界保健機関)も日本語版のガイドブックをネット上で公開しています。
ここでは簡単に方法を説明します。まずこの方法は「準備」と「3つのL」から成り立っています。
「LOOK・LISTEN・LINK」すなわち「見る・聞く・繋ぐ」ということです。
この方法は災害時や緊急時の対処法ではありますが、日常的に誰かと接する時に大切な観点だと思います。
私たちにできる防災・心のケアについて考えてみると、意外と出来ることも多いと私は感じました。それは、防災とはちいさい積み重ねがすべて組み合わさって初めて命は守られるからです。世界各国で地震がおこっている現在、世界中で防災は考えられるべきであり、日本はその先導者として、次世代を担う私たちこそがその場に合う防災を国内外問わず考えて、共に備えていくことがこれから私が取り組みたいことです。みなさんも自分の家から防災を始めてみませんか。

安田はるか(寄稿者)