地域と学校をつなぐ、世界最大級(?)の“学び”イベント

2016年8月1日

こんにちは!
愛知県高校生フェスティバル実行委員会(通称:高フェス)の副実行委員長で高校2年生の杉浦悠花です。
 
今日は高フェスなどが主催で先日行われた愛知サマーセミナーについてお話しします!
 

サマセミとは?

 
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毎年7月の海の日がある3連休に開催され、今年で第28回を迎えまるで誰もが先生、誰もが生徒の「夢の学校」です!3日間で2000以上の講座が開かれ、参加者は延べ6万人にのぼります。ノーベル賞を受賞された天野浩さんや漫画家のやくみつるさんをはじめとした特別講師の講座が数十個あり、その他に大人はもちろん、高校生も講座を開きます。今年は東海学園高校・大学、周辺の小学校中学校が会場となり、ちょっと小さなイスと机を懐かしみながら、3日間、講座を受けたり開いたりしました。
サマセミの大きな特徴のひとつに、高フェスつまり高校生、そしてその保護者、私学の先生方とNPO法人の四者で運営を担っているということがあります。周辺の地域にポスターを貼らせていただくなど市民の協力もあり、サマセミは幅広い世代の多様な人の夢の学校となっています。また、運営は全てボランティアで、寄付や企業協賛で費用を賄っているので参加費は誰でも無料です!(一部の講座では材料費がかかります。)
 

学校と家を往復するだけ⇒団体の副実行委員長へ

 
私はこの愛知サマーセミナーがきっかけで、愛知県高校生フェスティバルに関わり始め、今では副実行委員長を務めています。学校と家を往復するだけの生活を送っていて、学校外の活動などする機会もなかった私がなぜ変わったのか。サマセミにはきっかけを届ける仕掛けがたくさんあるのです!
私がサマセミに行ったきっかけは、自分の学校でサマーセミナーが開かれたことです。特別講師の講演に惹かれ、定期で行けるし、せっかくだから行ってみようと思って足を運びました。そこで目にしたのは活躍する高校生の姿です。道案内をしていたり、受付をしていたり、特別講師の講座を一緒に運営していたりする姿が目に入りました。 自分もやってみたい! と思って高フェスに興味を持ちました。
 

きっかけを届ける3つのしかけ

 
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①講座を出してくれる人を募集
2000講座のうちの500講座は高校生が出しているものです。部活の体験の講座を出してくれたり、勉強を教えたり、ジャニーズや鉄道など趣味を語る講座、水鉄砲で遊ぶ講座など真面目なものから楽しいものまで様々です。講座を出してくれる人をたくさん集めることで主体的な参加を増やしています。
②スタッフを幅広く募集
会場までの案内や受付やゴミ拾いなど、高校生がスタッフとしてたくさん関わってくれています。講座を出してくれる人を中心として募集し、今年は約250人が手伝ってくれました。
③サマセミで講座を聞くことが宿題の学校も!
高校生は夏休みの時期ということで、サマセミで講座を聞いてレポートを書くことなどが選択制の課題になっている学校もあります。学校と連携していることで、幅広い層の高校生が参加するきっかけを届けています。
 
このようなきっかけがたくさんあることで、成長する人が生まれていきます。
 

地域と学校がつながった“異空間”

 
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私は今回のサマセミで、スタッフをやると同時にいくつかの講座を開きました。そのなかでひとつ強く印象に残っていることがあります。講座は、ろう者の映画監督が撮った東日本大震災に関する映画を上映して、参加者とのトークセッションを行うというものでした。
高校生はもちろん、教員、地域の方、耳が聞こえない方にも来ていただきました。
 
 
映画の感想交流をしている時間に耳の聞こえない人たち同士が手話で会話する場面があり、手話がわからない人は会話についていけないということがありました。その中で講座に来てくれた高校生の目の色が変わります。耳が聞こえない人と触れ合う機会は日常にはあまりありません。その人たちがどんなことを考え、どのように生活を送っているのか、そんなことが垣間見えた瞬間だったのではないでしょうか。学校では切り離されている人たちがサマセミでは共に学べます。講座の内容はもちろんですが、教室で同じ時間を過ごすことで学ぶことがありました。
 
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普段高校の教室に集まってくるのは、同じ年齢の大体学力が一緒な人たちだと思います。しかし、サマセミのように地域と学校がつながることで、いろいろな世代の、様々なバックグラウンドを持つ人が集まってきます。その相互作用で新しい学び生まれるのです。
 
学生の団体は数多くありますが、私が見る限りでは、大人や地域とつながれていないのが現状なのかなと感じます。活動が、いろいろな人の利益につながり、その地域も巻き込まれたものになったとき、大きなインパクトが生まれるのではないでしょうか。
 
これからも愛知県高校生フェスティバルという、ごく普通の高校生が集まってくる環境で、みんなの可能性を広げられるきっかけを作り、広げていきたいと考えています。来年のサマセミに関していえば、私は受験生になってしまいますが、普段高フェスに関わっていない子も講座づくりの段階から巻き込めるようなしかけを作れたらなと思っています!
来年の7月の3連休、愛知に来てみるのはいかがですか?
 
参考:愛知サマーセミナーHP

ゆうか(寄稿者)