18歳まちおこし高校生から同世代へ 若者が輝ける「未来」を作るには

2016年7月8日

みなさん、はじめまして。
私は、美しい「東海道の町並み」が残り、400年の歴史と伝統をもつ色鮮やかな染物「有松絞り」の生産が盛んな愛知県名古屋市にある「有松」という地域で昨年8月から、まちおこしの活動をしています。AKM▶有松高校生町おこしプロジェクト設立・代表 井村知貴(いむらともき)です。
あと少しで1年となる「まちおこし」の活動をご紹介しながら、今、注目を浴びている「18歳選挙権」についてお話しをしようと思います。
 

まちおこしの取り組み

 
私は、3つの地域の課題点を高校生の視点で解決策を見つけ、解決できないか。と思い、団体を立ち上げ、まちおこしの活動に取り組んできました。
 
地域からは「観光客の滞在時間を増やす」、観光客からは「地域の名物の食べ物がない」、職人さんからは「伝統工芸品に対する若者離れ」という声をいただいて、1月には、日本の高校生と海外の高校生が共に地域の伝統文化の「ホンモノ」に触れる体験型の模擬体験ツアーを開催。プログラムには、職人さんとの「有松絞り体験」も盛り込んでいます。4月には、大人向けにも開催し、18名の参加者があり、地域の「ホンモノ」の魅力を伝えることで、観光客の滞在時間を増やすことができたと同時に、普段はお話する機会が少ない職人さんとの交流も込みこんだことで、職人さんの熱い思いや「有松絞り体験」を通して、伝統工芸品の美しさを知ってもらうきっかけ作ることができました。
 
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そして、静岡県で行われた「ビジネスプランコンテスト」での挫折から生まれたのが地域の新名物「有松絞り食パン」です。染物の模様を4色で表現した食パンで、今では完売が相次ぐ、人気商品となった。最近では、名古屋駅「高島屋」での販売がスタートしています。
 

18歳が企画した 18歳限定「選挙割」

 
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地域の人気のパン屋「緑と風のダーシェンカ・蔵 有松店」限定企画として7月1日からスタートしました。これは「まちおこし」に取り組む中で企画をしました。
6月に18歳になり、今回の選挙では僕も1票を投じる権利を持っています。そこで僕は、選挙を気軽に考えるきっかけとなればと18歳限定の「選挙割」を企画しました。期間中にパンを購入する際に「選挙済証」と「学生証」を提示いただけると引換券をプレゼント。次回以降の来店で高校生が考案した「有松絞り食パン」のラスクをプレゼントするというものです。
今後は併設させた2階にあるカフェで気軽に若者が交流できる場を作りたいとも考えています。政治にあまり関心がない人もふらっと立ち寄って、身近な話題について話しながら、私たちが5年後、10年後、大人になったときにどのような政策が必要なのかなど、想像を膨らませていけたらと考えています。18歳選挙権施行後初の選挙ばかりが注目されていますが、政治はすぐには変わるものではないはずです。だからこそ今回の選挙だけではなく、次の選挙も見据えたイベントにしたいと考えています。よく「一票は未来を変える」といいますが、その「未来」という時代は、「私たちの」時代ではないでしょうか。
 
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10代に伝えたいこと

 
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日本はとても平和な国です。しかし、世界には国民の意見が反映させない、そもそも国としての役割を果たしきれていない国が多くあります。
日本の若者は、生まれた時から世界水準からすると大変恵まれた環境で育っているものの、それらを当たり前と感じてしまっています。それら当たり前のことを守っているもの、それが政治ではないでしょうか?このように、誰もが政治と毎日関わって生きているのに、当たり前すぎて、逆に遠い存在になっているのではないかと僕は思います。
よく、学校で政治教育に取り組まれていますが、まずは、一人一人が当たり前に感じていることは、当たり前ではないし、政治が大きく関係していることに気付いてほしい。同時に、投票の一票を大切にしてほしいです。
まずは、意識を一人一人が自分と向き合って変えていくこと、それが大切なことだと考えます。政治を身近に感じるために、政治家に会いに行く、話を聞きに行くことで大きくイメージは変わるかもしれない。僕たちの未来は、今の私たちが作っていかなければいけません。僕たちの時代なのだから。

ともき(寄稿者)

昨年8月、名古屋市緑区にある「有松絞り」の企業でインターンシップを経験。インターンをきっかけに地域の魅力を発見し、まちおこしの活動をスタートした。幅広い年齢層を対象とし、「人と人との繋がり」を大切にした模擬体験ツアーを2回開催。4月からは、有松の魅力を食べ物で発信しようと、「有松絞り食パン」を開発。今春には「全国高校生My project award2015」において全国出場を果たすなど、地域から全国へと活動の幅を広げている。最近では、様々なメディアから注目を浴びている高校3年生。