台湾への留学で気づいた「中国語とわたし」

2016年11月21日

現在、世界で話されている言語は千数百とも数千とも言われています。
その中で一番使用人口が多いと言われている言語は何語か、皆さんはわかりますか?そうです、それは中国語です。中国語の使用人口は10億7500万人とされています。一方で、中国語の次に使用者の多い英語は5億1400万人とされているので、中国語を使用する人がいかに多いかがよくわかります。
 
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私は2015年4月から2016年3月までの約一年間、交換留学生として台湾での留学生活を経験しました。その1年を通して学んだ中国語、そしてそこから感じことについて今回は書こうと思います。
 

台湾への留学を決意、語学はそれほど重要ではなかった

 
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私が台湾に留学すると決めた決め手は「美味しい食べ物がいっぱいあるらしい!」「日本のことを好きな人が多いらしい!」という好奇心からです。それに加えて、憧れの先輩が同じように台湾に留学していたこと、周りの友人の多くが英語圏に留学することから「人と違う経験をしてみよう!」と思ったことのも台湾への留学を後押ししました。しかし「中国語を学ぶ」ことは、留学前の私にとって、そこまで大きな動機ではありませんでした。
 
台湾での留学生活自体はとても楽しく、たくさんの経験ができ、いい友達にも恵まれました。留学前は中国語など全く勉強したこともなかった私は、台湾に行けば何とかなるだろうと楽観して日本を飛び立ちました。しかし、中国語をゼロから学ぶことは、簡単なことではなく、正直に言えばとても辛いことでした。現地の高校に行き、ホームステイをする中で、最初の数か月はみんな英語や簡単な日本語を交えて会話をしてくれましたが、やはり言葉がわからないという壁は想像以上に高いものです。伝えたいことが伝わらないというもどかしさや、頑張っても頑張っても、なかなか成長が目に見える形で自分にまで還元されないという悔しさを何度も味わいました。日本に帰国してからも、ブランクのある英語を取り戻すのに時間がかかったり、英検に落ちたりして、悔し涙とともに「英語圏に留学していればよかった…」と思ったこともありました。「辛い思いをしたわりには努力は実を結ばないし、1年間で英語の力は落ちちゃうし…」と。
 

中国語で広がる世界

 
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そんな私が、「中国語」という言葉の魅力やアドバンテージに気付いたのは、日本に帰ってきてからです。街を歩いていると中国語が耳に飛び込んでくることが増えたのです。さらに、以前は気にすることもなかった街中の中国語の表記や、日本にいる中国や台湾の人の存在にも意識がいくようになりました。帰国後数か月の間に、電車で中国語の勉強をしていたら中国の人に話しかけられておしゃべりをしたり、駅やバス停で困っている台湾の人を助けたり…そんなことが何度かありました。今まで気に留めなかっただけで中国語を話す人たちは日本の社会にたくさんいて、私もなにか彼らの力になれるのかもしれないと気づきました。そこでやっと「中国語を勉強してよかった!」と思ったのです。
 
もう一つ、中国語という言葉の美しさや奥深さを感じた経験がありました。それは中国語の朗読コンテストに出たことです。詩を朗読するという体験、しかも中国語で。それは私にとって初めてのことでした。中国語の詩は読むとその詩の景色が目の前に広がる、とても表現が豊かで、しかも美しい響きのものが多く、今まで日常会話の中国語にしか馴染みがなかった私にとって、この発見はとても感動的なものでした。最初は、声に出して読むだけでどうやったらこの風景をオーディエンスに伝えられるのかわかりませんでしたが、トーンや強弱、間の取り方など、練習を重ねました。その結果、私はコンテストで第一位を獲得することができました!台湾で中国語の勉強を頑張ってもなかなか成果として表れてこない、と辛い思いをしてきたからこそ、この一位という結果には感無量の思いです。これを機にもっと流暢に、表現力豊かに中国語を話したいと思うようになりました。
 
国際社会の中で中国語の必要性はこれからますます高まるだろうと言われています。それだけでなく、中国語を介せば自分自身の思いを日本人だけでなく世界中にいる10億7500万人にも伝えることができます。そう考えると、なんだかとてもとてもワクワクします。だから今は中国語を勉強してよかったと思うし、わたしにとって中国語は自分自身を構成する大事な要素の一つになりました。
 
グローバル化が進み、2020年にオリンピックが控えている日本では、これからさらに英語や中国語をはじめとする外国語に触れる機会が増えていくと思います。そんな時、誰とでも心を通わせられたら素敵だと思いませんか?これを機会に「あなたと○○語」について考えてみるのはいかがでしょうか

ひよこ豆

岐阜生まれ岐阜育ちの純岐阜っ子。「可愛いね」より「変わってるね」と言われたい。座右の銘は「be the first penguin」