武器をにぎるな、おにぎりにぎれ。 – 本堂りり

2016年8月22日

「武器をにぎるな、おにぎりにぎれ。」をスローガンに、「おにぎりにぎろうプロジェクト」をやっている、本堂りりです。青森県に住んでいます。
 

おにぎりにぎろうプロジェクトとは?

 
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「おにぎりにぎろうプロジェクト」は、高校2年生の秋に始めました。その日、午前2時に私はTシャツが作りたくなりました。ベットから飛び起きてパソコンを開き、Tシャツをデザインして、100枚注文しました。初めは自分の分だけ作ろうと思ったんですが、勢いで購入枚数の欄の数字に「100」と入力しました。きっとその時の私は不可能だと思えることに挑戦したかったのかもしれません。
それまで私は学校という小さな世界で生きるのがとても嫌でした。「先生」が絶対的な権力を握っていて、みんながそれに従うことが嫌でした。そして自分もそれをどうやって変えたらいいかわからず、ただ従うことしかできないことが一番嫌でした。でもプロジェクトを通して突破口が見えてきました。
実際に家に大きな段ボールが届いて、現実に戻りました。家族には黙って購入したため、驚いていましたし、その中身が「おにぎりにぎろう」と書かれた意味のわからないTシャツだったので呆れていました。でも私はワクワクしました。何かをやらかしてしまった時って何だか心がざわざわしますよね。その時も、これからどうなるんだろうっていう不安と、こらから何が始まるんだろうっていう期待が入り混じっている感覚でした。
 

可能性を一つひとつ形にしていく。

 
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おにぎりにぎろうプロジェクトは、ひとことであらわすと、「おにぎりにパンッパンに詰まった可能性を一つひとつ具現化していく」プロジェクトです。世界の様々な問題はすべておにぎりで解決できるんだと思い込むことに決めました。例えば、飢餓や肥満問題。私がアメリカに行った時に食べ物をたくさん捨てているのを見たり、肥満という問題を抱えている人を見ました。一方でマレーシアに行った時には、道端に多くのやせ細った人がうずくまっている光景を目の当たりにしました。この経験から、「世界はなんだかうまく回っていないんだな〜こういう差から戦争は始まってしまうのかもしれないな〜」と少し飛躍してしまっているかもしれませんが直感的に感じました。そこで、肥満の問題を抱える人が多い日本を含めた先進国には「おにぎりにぎろうTシャツ」の販売を通してハンバーガーなどよりもヘルシーなおにぎりを広め、その売り上げの一部を飢餓で苦しむ人のために寄付しようと考えました。Tシャツは結果的に100枚を売り上げ、少しではありますが寄付することができました。その他にも、米離れの問題や、家族の問題、美容や哲学など、おにぎりで色々なことに挑戦しました。
 

「おにぎり」は1つの切り口。

 
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私が今最も関心のある問題は、「いかに個人が自己を解放できるか」ということです。私は、おにぎりで世界の問題の解決の糸口を示すことで、人の「もの」や「こと」に対する固定概念を壊したいと考えています。だから、例えば先ほどの飢餓や肥満問題でいうと、それらの根本的な解決が目的ではなく、その問題をおにぎりを通して捉え、活動することで「おにぎり」に対する価値観がかわったり、「おにぎり」以外のものやことを見る角度が少しでも変わるきっかけになればいいと考えています。
 
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このプロジェクトを通して学んだことは、失敗するかもしれないというリスクを恐れるよりも、リスクから逃げて行動しないことの方が恐るべきものだということです。このプロジェクトは、Tシャツを作ってみたいという衝動から生まれました。そしてこのプロジェクトを通して多くの今までの人生を送っていたら絶対に出会うことのなかったような人々とつながることができ、自分にとって、とても意味のある存在がたくさん増えました。何かしたいけれど、何をしたらいいかわからないという人は、目の前にあること、例えば、道端に転がってる石ころとか、自分が話している日本語、とかとにかく何でもいいから、自分はこれで世界を変えるんだってまずは盲信して、何か行動を起こしてしまえばいいと思います。それで、「これで世界を変えるのは厳しいな」って思ったらまた別のことをすればいいと思います。とにかく何かをする。その方が面白い人間になれると思います。「この世界中の多くの人を笑顔にしたいんです!」って夢を語る人より、「石ころで世界変えようと思って色々やってみたんだけど、ダメだった!」っていう話をする人の方が、素敵ですよね。これからは、常に今の自分が考えることのできる最大限のリスクをおかし続けたいです。