僕が覚悟を決めたのは。 #特集 #卒業 #コラム

2017年3月31日

小林毅大です。昨年はNPO法人「僕らの一歩が日本を変える。」のメンバーとして活動しており、青春基地でも2本コラムを書かせていただいていました。そして昨年の3月で団体をやめ大学受験へ向けて勉強に励んでいました。結果入試に合格し無事4月から大学生になることができました。
最近は勉強をしなくてよいので無駄に時間を持て余す日々が続いています。そんなある日、自室の掃除をしていたところ懐かしいものを見つけました。
 

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「じぶん探検レポート」を発見

 
小学校2年生の時に授業の一環で作った「じぶん探検レポート」というものです。0歳から7歳の写真と、両親や親戚から聞いたその当時の自分をまとめた文章の二つで構成されています。
 
非常に懐かしく感慨深い思いに浸るとともに、古いビデオテープのように断片的でかつ曖昧な記憶が頭の中を流れ始めました。家の庭の土のにおいや父親に肩車されながら見た花火、ブランコから落下し血を流して倒れている友人。様々な記憶が無秩序に次から次へと浮かんできます。
 
そんな記憶を整理してみました。何の関連もないと思われた独立した記憶の断片を、積み木のように一つひとつ組み立てていく。『幼稚園の昼食の時に、みんなで「いただきます。」を言う前にご飯を食べ始めたことで先生から怒られた僕は、すねてしまってご飯を再び食べようとはしなかった。』というシャイさがうかがえるレポートの記述と、『誰かを滑らせようとしてバナナの皮を幼稚園に放っていた。』という悪ガキさを伝える母親の話の、一見矛盾する二つの過去は僕が内弁慶だったということでしょう。けれども、そんな言葉の中から自分の存在をしっかりと確かめることができました。
 

後悔は先立たない

 
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僕はいつだって不安定でした。ひどいことを言うつもりは全くないのに、口調を荒げて友人に怒ってしまったり、すごく嫌なことを言ってきたクラスメイトに何も言い返せずへらへらしたままだったり。そしてそんなことを家に帰ってきてから一人で思い出して、いつまでもうじうじと考え込んだりしていました。「後悔先に立たず」とはまさにこれを指し、前に述べたような自分を客観視する試みが活きてきます。
 

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そんな「後悔先に立たず」の世界で僕はどう生きるべきか。「それは未知の未来に対して無力な自分を、全面的に肯定すること」であると考えます。それは「後悔しないように現在を十分に考え決断しよう」ということではなく、「この決断は後になって後悔しうるという自覚の上で決断する」ということです。過去の反省と現実への応用は必要であり重要であるが、それによって失敗のない完璧な世界を作るなんてことはできないのですから。
今僕は未来に対してすごく不安であり、自分の決断に自信が持てません。加えてその不安定さは未来永劫僕に付きまとい続けます。これが人生を苦痛なものにさせている点かもしれません。しかしそれを肯定し自覚することが、自分の足で世界に立つために必要な「覚悟」なのだと考えます。「僕はいつまでも不完全であり、不安定であり続ける。」そんな覚悟を決めて、僕は4月から大学生になります。

たけひろ(寄稿者)

千葉県の高校3年生。学校では生徒会長を務めながら、NPO法人『僕らの一歩が日本を変える。』で活動中。「考えることから逃げない」と決め、大学は哲学科志望。サカナクションと三島由紀夫が好きで、ジジイになっても社会の最前線で動いてる人間を目指している。(コラム執筆者)