医者でない私たちに救える命

2017年3月22日

 
 
こんにちは。智辯学園和歌山高等学校2年の岡田紗季です。
 
 
突然ですが、我が国では、ある死因により7分に1人の人が亡くなっています。 これは交通事故死のなんと20倍、つまり年間7万人にのぼります。
 
その死因とはなんだと思いますか?
答えは「心臓突然死」です!
 
心臓突然死とは心臓が原因の予期しない死のことです。
予期しない死であっても、救ってくれるヒーローがいる、それが「AED」です。
※注釈
1.AEDを適切に使えば心臓突然死は確実に減らせるのです!
 

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しかし、私の祖父が突然の心筋梗塞で倒れた時、現場に居合わせた祖母はAEDを使おうにも設置場所が分からなかったそうです。私は高校生でありながら何の役にも立てず、ただ 泣いて無事を祈ることしか出来なかった自分が悔しくて仕方がなかったです。 この時以来、今の自分に何が出来るか、次いつ誰に起こるかわからない事態にどう備えるべきか考えるようになりました。
そして心臓突然死やAEDに関して調べる中で、日本のAED設置台数は64万台と世界1であるにも関わらず、その使用率はたったの3.7%である現実を知りました。
AED は十分に有効活用されていないのです!命がなくなってからでは遅い!
 
『目の前にある命を誰にでも救える社会を』
『いつ、どこで、誰が心停止者に遭遇してもAEDで人を助けられる社会を』
目指すため、私は1人で企業を巻き込み活動をしています。
 

| やってくるAED

 

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私は、AED使用率が低い原因として次の三点を考えました。
・AEDを取りにいくことを思いつかない
・AEDがどこにあるのか分からない
・現場とAEDを往復しなければならない
 
すなわち、心停止者に遭遇した時にAEDを使おうと思っても、闇雲にどこにあるか分から ないAEDを探しに行かなければならないというのが現状です。
心臓突然死はいつどこで誰に起こるかわからない。 自分がいく先々の場所のAED設置場所なんて覚えてられないですよね?
じゃあ、探しに行かなくてもAEDが素早くやって来たら???
「AEDを取りに行くことを思いつかなくてもよい」
「AEDを取りに行かなくてもよい」
「現場とAEDとを往復しなくてよい」
のです!
 
そしてこれを実現するのが「AEDi」です。
AEDiのiとはintroduce、つまり誘導、「片道でやってくるAED」を意味します。
AEDi=従来のAED+タブレットで構成されます。
従来の AED にタブレットをプラスし、消防署からの遠隔操作でタブレットアラートを鳴らしAED周辺の人にAEDを手に取ってもらう。そしてAEDタブレットの地図誘導によりAEDを現場へと片道で迅速に届け心停止者を救うものです。
 
私はこの AEDi の実証実験を行いました。
AEDi実証実験は、AEDにタブレットを装着しただけで、本当に片道で救助現場まで AED が届けられるのかどうかを検証する実験です。
この実験には地元の有田市消防本部と有田市役所、関西を中心にスーパーマケットの店舗展開をしている株式会社オークワに協力していただきました。
結果は従来AED到着までに平均9分(※注釈2)かかっていたものが、AEDi のシステムでは なんと3分でAEDが到着しました。
AEDiの有効性をさらに精査し、効果が確認でき次第、AED製作会社であるPhilipsととも にAEDiの製造を行っていく予定です!!
 

|  最後に。

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私は産業、行政をさらに巻き込んで、必ずAEDiを実現させたいと思います! 医者でない私たちにも救える命がある。いつどこで誰の心臓が止まってもAEDがやってくる時代、そんな時代がやってきます、このAEDiで!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
 
 
※ 注釈
2.心臓がけいれんを起こして血液を送り出すポンプとしての役割が果たせなくなる心 室細動を起こしている状態のときに、心臓に電気ショックを与えて正常な状態に戻す器 械。自動体外式除細動器Automated External Defibrillatorsのこと
3.http://s.kakaku.com/tv/channel=4/programID=25660/episodeID=967379/

さき