弟の難病をきっかけに取り組むマイプロジェクト「ひみつのおてつだいやさん」

2017年3月8日

都内に住む、高校2年生の中嶋香琳です。 この記事を読んでいただく前に、皆さんには幼少期にタイムスリップしていただきたいと思います!!次の2つのことを少し思い出してみてください。
 
①小さい頃、友達や家族と折り紙して遊んだ時のことを思い出してみてください。
②では、今、その折り紙はどこにあるか分かりますか?
 
「ひみつのおてつだいやさん」 日々、私が全力で取り組んでいるプロジェクトです。一言でこのプロジェクトを説明すると、”本来であれば捨てられてしまう折り紙をアクセサリーにする”というものです。
 

弟が難病と診断されて

 
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きっかけは弟が難病と診断されたこと。 私が高校1年生だった時、私の弟は10万人に1人発症する病名不明難病と診断されました。この日から両親は涙を流し、自らを責め、作り笑顔を見せるようになりました。私は弟が病気になったことも本当にショックでしたが、毎日笑顔で溢れていた家族の笑顔が見れなくなってしまったことが何よりショックでした。
 
“あの時の笑顔を取り戻したい”
 
いつもこんなことばかり考えていましたが、当時の私には何もすることができませんでした。 そんな時、弟が昔作った折り紙を病室移動のためにお母さんが捨てたのを目にしました。破れてしまった、同じものを作ることができるという理由で捨てたそうです。確かに治療をするのに折り紙なんて必要ありませんよね。
でも、”世界にたった1つしかない大切な思い出を捨ててしまった”ことに私はとてもショックを受けました。 たった1つの折り紙かもしれないけれど、どうやったらそれをずっととっておけて、それを家族の笑顔を作れるものにできるのか?そんな時、考えたのがこの「ひみつのおてつだいやさん」でした。
 

「ひみつのおてつだいやさん」で家族に笑顔を

 
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折り紙を他のモノと同じように捨てて「欲しくない」という気持ちから、アクセサリーやストラップの形にしいつでも身につけておけるようにしました。さらに、一生懸命作った折り紙を家族へプレゼントすることで、家族が笑顔になれるきっかけを作りたいと思っています。 辛かった時、助けてくれたのは仲間だった 私には、弟が病気になったこと・家族が苦しんでいること・自分が壊れてしまうのではないのかというくらい辛かったこと、全てを友達や家族に隠し続けた半年間があります。だから、半年間はずっと1人でこの活動をしていました。なぜ隠していたのかというと、弱い自分を見せたら家族が悲しむかもしれない・このプロジェクトを受け入れてくれる人はいないのではないか、という単純な理由です。
 

不安を乗り越え、思いを言葉に

 
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このプロジェクトを初めて言葉にして、他人に伝えたのがマイプロキャンプ東京カイギでした。自分の思いを言葉にすると否定されるのではないかという不安が常にありましたが、そんな心配は無用でした。プロジェクトを受け入れてもらえて、「香琳ならできるから頑張りな。」と言ってもらえたからこそ、今の私がいると言っても過言ではありません。この日から私のマイプロジェクトが始まりました。
少しずつだけど、広まるこのプロジェクト。実際に子供たちが楽しんでくれるのか?このプロジェクトを必要としている人がいるのだろうか?常に私は様々なことを考えて、アクションを起こしています。実際に子供へ折り紙アクセサリー体験を行ったり、活動を広めるためにNPO法人キッズアートプロジェクト様のホームページで折り紙アクセサリーのネット販売をさせていただいたりしました。また、活動資金集めのために2017年3月25日に松戸で行われる”みらいフェスタ”にもまつどNPO様とコラボして出店させていただくことになりました。
 
このプロジェクトを進めるに当たり、現在も多くの高校生、大学生、社会人、NPO法人の皆様にサポートしていただいています。 そして、私は2月に「ひみつのおてつだいやさん」という高校生団体を立ち上げました。現在はバラバラの高校から集まった10人の仲間と一緒に活動しています。
 

 
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「病院で長期入院をしている子供たちとその家族が笑顔になれるきっかけを作る」私が目指すものです。 日々凄く辛かった経験、自分の家族を笑顔にしてあげられなかったという後悔があるからこそ、私は病気と一生懸命闘っている子とその家族の支えになりたい。心からそう思っています。 団体として今後は、入院している子供たちが作った折り紙を家族には内緒で世界に1つだけの折り紙アクセサリーにできるように、私たちが子供たちにとっての「ひみつのおてつだいやさん」になりたいと思っています。 この目標にはまだまだ手が届かないかもしれないけれど、これからも大切な仲間とこの活動を続けていきます。そして、いつか、この想いが誰かの心に届くことを願っています。
 

中嶋香琳