きっかけをより多くの人へ届けるために、”3.11つなぐっぺし”

2016年11月16日

神奈川県逗子市に住む、高校3年生の田島梨央です。
私は、東日本大震災の被害から学び、自分たちの住む町で、防災、減災のために活動しています。主に神奈川県の逗子市、葉山町で活動をしています。メンバーは、中高生約30人です。地域のイベントへ参加したり、自分たちでイベントの企画、運営をしたりしています。
 
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今までに、宮城県女川町の郷土料理教室、防災遠足、防災人形劇、紙芝居、ZUSHI ROCK、募金フェスなどのイベントを企画してきました。食べ物、街を実際に歩くこと、劇、紙芝居、音楽…。様々なイベントを企画してきましたが、目的は一貫しています。災害について考えるきっかけをつくることです。
学生、親子、おじいちゃん、おばあちゃん、など様々な人に対して、切り口を見つけて、イベントの企画をしてきました。
 

大事な人、場所を失う悲しみに触れた経験から始まった私の活動。

 
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なぜ、こんなことをしているかというと、それは、大事な人や場所を失う悲しみに触れたからです。
東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市を、訪れました。逗子、葉山の中高生対象ボランティアバスツアーに参加したのです。それは、震災から二年半後の2013年9月のことでした。側溝の泥かきをする班とイベントのお手伝いをする班に分かれ、1日活動しました。側溝から出てきたのは、キッチン用品や写真。がれきには、日常がつまっていました。イベントでは、ゲームなどを楽しむ小学生の笑顔を見ました。次の日は、被災した建物、沿岸部の様子を見て、語り部さん(当時やそれ以前の町のことを話してくれる方)にお話を聴いたりしました。繰り返さないで欲しいと、切実に言う語り部さんの姿と、その背景に見える、家が建っていたはずの街並み。
 

きっかけは感じた違和感。

 
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私は、その2日間どこか違和感を感じていました。
神奈川にいてテレビや、新聞のニュースからでは得られない情報や人の想いが、たくさん流れ込んできたからだと思います。見て、聴いて、感じたことは、私が自分の先入観や思い込みに気が付くには十分すぎる体験でした。
私が住む逗子、葉山という地域は、海と山がある町です。同じような被害を、後悔を、繰り返さないために、分かったことや、感じたことを伝えたいと思いました。そして、同じ想いを持つ仲間と3.11つなぐっぺしとして、活動を始めたのです。
 
2013年に岩手県を訪れてから、その後、宮城や福島にも何度か訪れました。
街並みや、復興に対する住民の方の想いは少しずつ変化したり、変化しない部分があったりします。
復興は、何年、何十年というスパンで物事を考えることが必要です。目の前で起きていることの背景を知り、これからの姿を描くことは、容易ではありません。でも、皆で向き合っていかなくてはいけないと思います。
 

これからも、きっかけを作り続ける。

 
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東日本大震災以降、熊本や鳥取での地震、また、洪水被害や土砂災害が起きています。
 
私たちができることは、被災地に関心を持ち、支援、応援することだけではありません。自分たちが被災者となった時、被害を減らすために、今、災害を知り、対策を練ることです。大切な人や場所を失って、後悔したくない。
だから、私は、これからも、そのきっかけを作っていきます。

りお