【前編】春名風花ちゃんと、中学生3人組がおとな像を語る「死ぬまでに何か成し遂げたい。」

2016年6月14日

 
 
今回のインタビューは、中学生3人組による企画。
お相手は、ツイッターで有名な声優のはるかぜちゃん@harukazechan。今年高校1年生になったはるかぜちゃんと、年が一つしか変わらないのに「とてもかっこいい!」ということで、あれもこれも聞かせてもらいました。
 

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春名風花さん >>2001年生まれ。女優、声優。幼い頃から子役などで芸能活動を続けている。愛称は「はるかぜちゃん」。著書に『はるかぜちゃんのしっぽ(ω)』(2011)、『少女と傷とあっためミルク』(2014)。
 
“はるかぜちゃんは大人になりたいみたいだけど、私は子供でいたいみたいだ。料金は安いし、周りはやさしいし、子どもだと思って舐められても見返せるところも好き。はるかぜちゃんを知る取材だけど、はるかぜちゃんと話せて今回も新しい「私」を見つけられた気がした。ちょっと羨ましくおもったけど、私も私の道を生きねばってより思わされた。
 
前編は、「大人」って一体なんだということを、15歳と16歳が徹底的に語ります。
(※今回の編集は、編集長・石黒がしています。)
 
 

——「大人になりたい」と思いますか?

大人だろうが、子どもだろうが、経験を積むかだと思うんで、あんまり関係ないと思います。
でも子どもって許されることも多いけど、舐められることも多いので、大人にはなりたいと思います。「子どもなのによくやったね」みたいな感心ではなくて、子どもと大人の境界線を超えて、本当に質や能力を評価してもらいたいなあと思います。あとお酒飲みたいですね!(笑)

 

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——大人になったらしたいことは、ありますか?

あんまりないですねえ。でも、今の年齢で言ってることが、大人になって言ったらどういう影響があるのか知りたいですね!
昨年12月に初めて舞台に挑戦し、お客様の心を動かすことができたなって思えたんですけど、もし自分が「大人」だったらできるのかなと思うんです。というのも、その舞台『TUSK TUSK』は、育児放棄された三人兄弟の話で、実年齢の役者にこだわっていたんです。私は15歳の兄弟の真ん中の役でした。
この年齢だからできることはあると思うんですが、大人になっても共感できる演技は本当に難しいのか、確かめてみたいと思います。

 
中 (中学生たち):

たしかに、その年齢だから生まれる価値とか空気ってありますよね。

 

は(はるかぜちゃん):

でも「その年齢だから出る魅力」をいつまでも出せるようになりたいって思います。自分ができたことは、いつまでもできるって思いたいです。
 
 

人見知りをやめたら、反抗期になった?!

——反抗期とかありましたか?

今ですかね?(笑)
実は昔はとても口下手で、今もそんなに話せる方ではないんです。インタビューを受ける機会が多くなって、やっと話せるようになってきました。昔はインタビューでも「はい」か「いいえ」しか言えなくて、めっちゃ人見知りだったんです…。

 
中:全然そんな風に見えないです!!
 
は:いやいや、今もたぶん質問と違った内容をたまに言っていると思います(笑)でも取材で徐々に喋れるようになっていくほど、家族にも色々言うようになってきたんですよね。

 
中:へー!!人見知りを克服したら、反抗期が増したんですか?
 
は:はい。(笑)
 
中:新しい!
 
は:Twitterを始めて文章をまとめる能力が身について、今度はインタビューを受けて喋れるようになったら、言いたいことを伝える言葉が分かってきました。今までも言いたいことはいろいろあったので。母親とかに対して言いたいことは言うようになったので、きっと母は今が反抗期だと思ってますね!
 
編集長:確かに、反抗期ってそういう要素もあったのかもしれないですねえ、思い出すと!
 
は:思っていたけど、言えなかったことが…みたいな。笑
 

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「死ぬまでに何か成し遂げたい。」

——何歳まで生きたいですか?

は:声が出なくなるまで、です。
 
中(1):じゃあ声出なくなったら死ぬんですか?
 
は:そうかもしれない…?!若かったら別の道を見つけるけど、老化で声が出ないなら、その頃にシューっと逝きたいなと。
 
中(1):死に方は、寝てる間にポックリ派ですね。
 
は:そうですね!あるいは舞台で演技が終わった瞬間に死にたいです。やりきった感がほしいです。
 
中(1):エンディングノートをおすすめします!
 
は:うんうん、遺書書いて死にたいですね。文の終わりの方にいけばいくほどふざけてる遺書を書きたい。お葬式の時とかに最初はしんみりと重苦しく聞いてるんだけど、終わりの方になると笑いを堪えられなくなってる光景を、幽霊になって見てみたい!
 
一同:(笑)
 
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ーー死ぬまでにどうしても成し遂げたいことはありますか?
 
は:私の好きな世界の中で、そこそこ名を残したいって思います。
 
中(1):きたー!!!
 
は:声優さんだったら、「◯◯役の春名風花」っていう覚えられ方をしたい。何もしないまま死んでいくのは嫌だなと思います。何か影響を与えて、生きた証を残したい。
 
中(2):なんで名を残したいんですか?
 
は:それは…生きた気がしないから、ですかね。
 
中(2):わかる!シンクロ率高い!!
だってつまんないじゃん、せっかく生まれたのにもったいないじゃん。
 
は:うんうん、もったいないし、名前や作品だけでも生きていってほしいです。
自分が死んだとしても、人々の記憶の中に生きていたいです。
 
編集長:へー・・・!
 
は:基本、生きていたいんです。でも死ぬことは決まっていて、その運命には抗えないだろうと。
 
編集長:もし寿命がなければ、何歳まででも生きたいと思いますか?
 
は:はい。やっぱり、もったいないから。せっかくもらった命だから使い切りたいです。
 
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「生きることは、戦うこと。」

——死ねと言われたらどんな気持ちなんですか?

死ねと言われたら、いつかは死ぬよ?
そういう言葉って最初の頃はあんまり免疫がなくて、すごい嫌だったし、もやもやってしてたんですけど…。気付いたことは、色々言われて「しゅん」ってなると、相手はどんどんエスカレートするんですよ。「やめてください」って怒ってもこっちの方が悪い、とかエスカレートしちゃうんですよ。
笑いに変えたり、受け流すと、「折れなさがすごい」「その行動がかっこいい」って思ってくれる人が生まれるんです。そういう人が生まれると「死ね」みたいなことを言ってる人の方が、だんだん滑稽に見えてくるんです。そのうち自分で自分のしていることを、恥ずかしいって感じてもらえたらいいなって思います。

 

これって学校でも活かせるかもしれなくて、「しゅーん」って誰にも言えなくて落ち込んでいくと、さらに「なんでもいうこと聞かせよう」って。
おかしいことは、戦いつづけるのが大事だと思います。私の大好きなアニメ『ローゼンメイデン』の真紅ってキャラクターが「生きることは戦うこと」、って言っていて。好きな言葉なんです。

 
編集長:それは何と戦っているのだと思いますか?
 
は:うーん…。「自分らしく生きるために」戦ってます。自分の夢や目標にいくのに必要にないものと戦うみたいな。アンチと戦うってあんまり言いたくないんですけど。
 
中:大変ですね・・・。
 
は:そもそも叩く人って、叩こうとしているから叩くのであって原因は関係ないんですよ。原因って後付けなんです。なんとなく「こいつ嫌い」って思ったから原因を探して、その原因が見つかったらその人を叩く。もし、叩いている人の恋人とか家族が同じことをしてもきっと何も言わないんですよ。
だから、どんな人間にも欠点があるから、「たしかになあ」って思うものでも認めちゃいけない。それは叩いている理由にはならないから、「だから何?」っていい返さなくちゃいけないんです。
 
 
>>後編は仕事についてとことん聞きます!また明日をお楽しみに!
 
 

はるかぜちゃんは動物が好き。わたしも好きだから親近感がわいた。今回は取材だけれど、友達のようになれたらもっと話せておもしろいだろうなと思った。でもツイッターしてないから、ファンとしても話せないなうへん。ってなった。
はるかぜちゃんは大人になりたいみたいだけど私は子供でいたいみたいだ。料金は安いし、周りはやさしいし、子供だと思って舐められても見返せるところも好き。
ただ一つやなのは高校からじゃないと働けないところ。そう小さい頃から働いていて好きなことでがんばれるはるかぜちゃんはすごいと思った。ちょっと羨ましくおもったけど、私も私の道を生きねばってより思わされた。
はるかぜちゃんを知る取材だけど、はるかぜちゃんと話せて今回も新しい「私」を見つけられた気がした。はるかぜちゃんの取材は私を取材前より成長させてくれたよい1日でした。また会えたら♡

ぱっつんサラダより

石黒和己(いしぐろ わこ)

NPO法人青春基地・代表理事/1994年愛知県生まれ。映画やエッセイを読むことが好きです。過ぎさってしまいそうな人の気持ちや仕事こそ、解像度をあげて観察したいです。